化物少女K -Lazy Swift Sweeper-

物書未満

MISSION1 派兵

 全く面倒くさい事この上ない。

 特務、市民の安全の為になどと上は綺麗事を並べるが要は失敗生体兵器の駆除、つまりゴミ処理だ。

 まぁ生体兵器実験成功作で人の姿をした化物である私くらいしか失敗兵器を駆除出来ないから当然と言えば当然か。


 事の発端は組織が研究していた生体兵器の失敗作が事故で暴れだし、とある街に跋扈してしまった、という物だ。


 呆れて物も言えん。

 ちゃんと管理しておけ。馬鹿タレ共が。


 一応街を封鎖して被害の拡大を防いだ、とは言うがそれなら町ごと吹き飛ばしてやれば良い。だがこれ以上大事にしたくないのかそれは出来ないという。


 面倒くさい奴らめ。


 それにこの生体兵器は失敗作とは言え、普通の人間にはかなりの驚異であるし、組織の特殊部隊でも苦戦を強いられる。

 

 もっとまともな非常事態対応を考えておけ。私がいなけりゃどうするつもりだ。


 とりあえず武器弾薬拠点等は十二分に用意してくれるというが、それをしないのなら一体何をするつもりだ。

 それが一番大事だろうが。


 ともかくもその街へ行く事にした。


 街にヘリで到着するとまぁうじゃうじゃと失敗作が湧いているのが見える。

 組織は失敗作が入ってこない安全地帯の様な物を発見しており、そこを拠点として使うようにと命令してきた。

 まぁ存分に使わせて頂こう。

 とりあえず拠点へ向かうのだが拠点までは少し遠い。仕方ないか。


 道中には失敗作共がうようよしているが、見る限り雑魚ばかりである。案の定手応えはない。


「拍子抜けだな。もっとちゃんと作らなきゃ人間使ってる方がまだマシだろ」


 毒づきながら雑魚を伸していき、拠点にたどり着いた。


 拠点の中は上の言う通り割と快適だった。

 電気水道ガス、風呂に手洗い、シンクもあるし、武器も豊富で弾も潤沢だ。オマケに菓子やらジュースやらも山盛りある。

 支援物資が届きにくい事を考えればコレくらい普通だろう。


 とりあえず今日の所は寝る。

 化物の私でも眠い時は眠い。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る