流行にアンテナを張ろう
朝目を覚ましたら、世界は劇的に変わっていた。それはまるで、物語のように。
二度寝してしまいたい気持ちを我慢して、布団から出る。重たい瞼をこすり、むくんだ足を引きずって、わずかな頭痛を引っ提げながら、やっとのことでリビング辿りつく。コーヒーを淹れたいな、と思いつつも億劫で、ついついXXXを起動してしまう。これをしてしまうと、少なくとも三〇分はその場を離れられなくなるのが毎朝のオチだった。
『業界の混乱が止まりません。○○、△△に続き、業界第三位の売り上げを誇るファッション誌■■が来月号の休刊を発表しました。休刊の理由について公式サイトでは「編集作業にあたってのトラブル」としか明かされておらず、消費者の不満が募ることになりそうです。
原因について専門家は、「来年の流行が決まらないのではないか」と推測しています。業界では来季の流行について「ふらふら系」を推す意見と「くらくら系」を推す意見とが拮抗し、方向性に妥結が見られないとのことです。
同社の雑誌■■の編集に携わる――さんは次のように話しています。
「大変困っている、というのが本音です。私たちは決められた流行を読者の方にしっかり伝えるという使命感を持って仕事をしています。これではどこに取材をすればいいのかもわかりませんから、仕事になりませんね」
大手三社が休刊となったことで、流行は自然に委ねられると見込まれます。消費者の混乱へとつながる前に、事態が収束されるよう望まれています』
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