第13話 不敵
6月4日いつもの様に目覚ましが鳴り起き上がる。
どうも、住む場所を変えても週始めの月曜日は苦手の様だ……今日からまた僕の学園生活としての1日が始まる。
「リライブ教団か……」
あれから僕は結局の所、リライブ教団という敵について何も知ることはできなかった。
——「じゃ話すね、僕らに牙を向けた宗教団体【リバイブ教団】について」
「……すみません、少し発言よろしいでしょうか?」
「何?
「
「先生……」
「
——確かにその通りなんだろうな……、よし気持ちを切り替えよう
そろそろ体育祭もあるらしいしな。
今は強くなるために勉学、体作りに専念しますか。
ガチャ
「行ってきます」
寮から校舎まで7分の道のり、それまでの距離でも汗ばむほどに日差しが強く、そろそろ夏服に衣替えを始める季節になってきている。——
教室の扉の前……2カ月も入院していた設定になっている僕は久しぶりの教室、どの様に入るのが合っているのだろうか?
いや、色々考えなくてもいいんだ……普通に、そう普通でいいんだ。
ガラガラ、ゆっくりと扉を開ける
「おひゃ……おはよう」
緊張でまさか噛むとは……。
「……えっ、
「久しぶり
僕を心配してくれていたんだな、僕の顔を見て安堵の表情を見せている。
けどこのガラガラの教室は話を聞いて覚悟はしていたのだが、なんだろうな……寂しい感じだ。
教室の前に詰められた机、僕の出席番号は52番から19番に繰り上げ一番後ろの席には
予鈴まであと10分か……
その時、僕の席の前に1人の女の子が立ち話があると僕を呼ぶ。
「おっ!
「黙って下さい、
「いいですよ……」
「それと絶対誰もついて来ないで下さい、特に
「俺だけ嫌われてんなー、心配しなくても行かんよー」
それから2人きりで空き教室に入る。
向かい合う様に立ち、
「
「戦闘訓練室で、
「……僕が
「誰にも言っていません」
またルールを破ってしまう事になるが、土御門さんは言いふらす様な人ではないと確信している。
だから僕は話す事にした……呪いの事、能力の事、そして村の事も。
「貴方の身にそんなことがあったのですね……、分かりました、この事は心の内にしまっておきます」
「ありがとう……あっそろそろ予鈴のなる時間だね、
「さん……はいらないです」
何か小声で言っていた様だが上手く聴き取れなかった
「
「『さん』、はいらないと言ったのです……」
頬を赤らめ呟く
「あの事件の時は私の事呼び捨てだったじゃないですか……」
確かに興奮すると口調が変わる事はあるらしく、無意識のうち呼んでいたらしい。
「だから、『さん』は不要です、少しワガママを言うと苗字は長いので、名前の
ニコッと笑う、つち……いや
この笑顔は反則だ
「じゃあ……
あぁぁ……顔が熱い、多分今僕の顔は真っ赤になっているんだろうな……。
顔真っ赤にしながら何を言っているんだ気持ち悪いと思われてないだろうか!
「いいですよ」
うっ……眩しいくらいの笑顔、良かった……良かった? 僕は今安心している、この感情はなんていうものなのだろうか?
この感じ
「あの
僕は無意識のうち小さくガッツポーズをとっていた。
本当に僕の体は正直なのだと痛感した。
——教室に戻り席に座る。
「青春だね〜
「
「大きな声出しちゃダメだよー、
「
「じゃあ……
って所からー」
恥ずかし過ぎて死ねるかもしれない……
ガランッガランッ
予鈴の鐘がなる。
ガラガラと扉を開け先生が入って……
「皆んなおはよう、おっ今日から
大きな任務……これは自分の予想でしかないが【リバイブ教団】関連だろう。
「じゃあ出席とるぞーちゃんと返事しなよ」
「
「はい」
「
「はい」
「
「……ぃ」
「声小さいぞー」
「
「はーい」
「伸ばすな、可愛いからってすべて許されると思うなよ!」
「
「はい」
「
「はい」
「
「御意」
「……まぁもういいか」
「
「はぃ」
「
「口恩」
「できれば中国語じゃなく日本語でなー」
「
「はい」
「
「はい」
「
「押忍!」
「ここは道場じゃないぞー、暑苦しいから辞めようか……」
「
「はい」
「
「はい!!」
「立たなくていいよ……、真面目かよ」
「
「……」
「いやー手を挙げるんじゃなく、返事してもらいたかったんだけど……まぁいっか」
「
「はぁい」
「貴方も可愛いからって許されると思わない事ね!」
「
「はい」
「
「……はい」
「
「はい」
「
「はいー」
「いつもいつも、チャラついてんじゃねーぞ。
気をつけろー」
「よし、皆んないるな。
それにしても、うちのクラスは個性派が多いな〜」
先生貴方も中々の個性をお持ちですよ……とは言えないな
「それで、今日はこれからこんな個性派をまとめるクラス委員長を決めてもらいます!」
——同時刻、空き教室
「やっと今日から
いやー長かったねー待ってたよ!
フフッまた友達信者に
ガラガラガラッ
「んっ?」
「やっと見つけた、全く2年生になったんだからそのサボりグセ早く治してよ!」
「先生、すみませーん」
「ほら、早く教室に戻りますよ
「はーい」
さてさて……次はどんな事しようかな♡
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