第3話 深淵
——6月9日、東北地方は梅雨に入り暑さと湿気でジメジメとした気候が続いた
あれから
——コンコン、扉をノックする音
「
「お早う御座います、
「初めて
そう僕は一度
目が醒めたのは次の日6月7日、目を開けると今僕がいるこの個室の完全密封された
余りの不条理な事が起き僕の頭はパンクぎみであったが、
殺した事への罪悪感だろうか……
「2日間もこの部屋に閉じ込めてごめんね。やっと、
「いえ、冷房は付いてテレビも好きに観れたので意外と快適空間でしたよ」
「そう、なら良かった……じゃあ
「子供ではないんですから、大丈夫ですよ」
暗く静かな狭い通路を進む——ここは何処なのだろう
「ここは東北本部って所なんでしょうか?」
「ここは一応東北本部よ、一般の隊員は入れない特別な場所、世間に公けに出きない人物を投獄する
コンコン、
「待ってたよ、
こちらに話しかけてきたのは、子……供?
部屋には3人、テレビでよく観ており陰陽道の顔と言われている東北本部長の
60才ぐらいだろうか、一般からしたらただのおばあちゃんかもしれないが……近くに行くとわかる気ってやつかな? うまく言葉に出来ないが近寄りがたい存在って感じだと
それよりもだ……
「おい、
「あっいや、すみません」
昔からよく分かりやすい顔だなと言われて来たが、本当だったらしい
「いよいよ、そこはもう慣れてるから気にしないよ。初めまして
これでも
「まさか! って感じの顔だな、まぁ気持ちは凄くわかるぞ俺も最初会った時は同じような事を思ってたなぁ」
「
……なんだって思った事全部口に出してたからね」
「そんな事もあったな!」
「今でも偶に出てるよ」
「あんた達いい加減にしなさい、今日集まったのはそんな下らない話をする為じゃない筈だよ」
穏やかな口調の筈なのだが、場が冷たく緊張感がはしる
……比喩ではなく本当に身体が冷えてきている。
「悪かったよ〜怒らないでよ、しーちゃん」
「しーちゃんは辞めろと言った筈だぞ、テンコ。
はぁ……
「……よし、
先ほどの
「それだは私はこれで失礼します」
「いや、
「私もですか? ……分かりました、失礼します」
「まずは、白銀の角の事の前に僕ら
「そんな存在しているわけが……」
「しているんだよ、現に目の前にいるじゃないか」
その言葉の意味はすぐに分かった、僕の目の前で
「僕は妖狐、しーちゃんは雪女……そして、たっつみーはゴリラ男なのです!」
「違う、俺はただの鍛えているだけの人間だ。
「うっ……ちょっと、しーちゃんまた空気が冷たいよ」
「今は何もしてないわよ」
「うー、じゃあ続き話すねー」
ふてくしている……
こう見ると、本当に子供みたいだ……
「えぇー、
「そうだねぇ私達は別に人が嫌いって訳でもないしねぇ、私達に害を加えなければ人に力を振るう事もない」
「僕たちは人間と共に人間として生きて来た、だから人間の敵鬼は僕たち
「
「それはまぁ陰陽道の上層部しか知らない機密事項だからな、
「……はい、私が聞いて良かったんでしょうか?」
「まぁ成り行きだが、お前は口が固そうだから良しとなった」
「それにしても僕のこの力と妖の因果関係とは何なんですか?」
「もう
うっ……何だろう凄く偉い人なのになんかムカついてくる顔してる。
「プフッ、冗談だよー」
でも何故だろうこの人なら許してしまう自分がいる……何故かそれは小動物みたいに可愛いのだそれが男の子だとしても。
「
幼女……隣で
「
「うっ……」
流石にあの
この感じの
「あんた達さっきから話脱線させ過ぎ、もう私が話すわね……次くだらない話になったら分かっているわねぇ」
「はい」
皆んなの気持ちが一心した、殺されると。
「
「一応教科書では……」
「あの物語では最後に
村人は2人生き残っていた。
「その娘というのは……」
「あぁ私の事だ、それとあの物語では私の母は人となっておるが、もう察しはつくだろう……
そうだのぉその角が造られるまでの少し私の昔話をしてやろう」
——優しかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます