第2話メンテナンス

 家に着くと、すぐ二階にある自分の部屋に駆け上がる。


「松井さん、俺がジロジロ見てたことにより、怒ってるのかな? まあもしも、今日のこと聞かれたら素直に答えるか、うん。とりあえずob4メンテ終わったよな」


 SP4に手を伸ばし、電源をつけ、コントローラを手にする。


「ob4新武器楽しみだな」


 ゲームが起動したのを確認し、スタート画面を押すと、メンテナンス中と書かれていた。 あれ?


「メンテ明けたんじゃなかったのか?」


 すぐさま携帯を手にしツイで公式を確認する。


『ob4公式お知らせ、本日16時30分に終わる予定だった大型メンテを延長いたします。誠に申し訳ございません』


 そのままリプを見ること、一番上に見覚えがある内容が書かれていた。


『@ob4. メンテが明けるとどうなる? 知らんのか? メンテが始まる』


 よくよく見ると、公式が一人遊びしていた。


「このクソ運営がぁあああああ」


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「明日しっかり、訂正しなきゃ」

 ついつい心の声が漏れてしまい、お母さんに聞かれてしまった。


「小さな声で何ブツブツと言っているのよ、今日何かあったの?」

「え、いい、いや何もないよ! 私部屋に行くね!」

「何もないならいいけど、何かあれば言いなさいよ」

「わかってるよ!」


 急いで部屋に駆け込み、ベッドに横になり、LinEを見ていると、いつものグループからだ。


西直「運営からのお知らせです、メンテを延長したそうです、ゴミですね」

nana「それはいいすぎ!」

西直「メンテが明けるとどうなるの?」

西直×紅葉「メンテが始まる」


 私は西さんから情報を聞き、今日はメンテが明けなさそうだから、珍しくSP4を起動せず、夜を過ごしました。

 ちなみにラノベ読みました、「無転生 異世界行けば本気だす」


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「紅葉朝よ!」

「はあい」


 今日は大事な日、昨日の誤解を解かないといけない日、頑張れ! 私。


 お母さんがご飯作ってくれている間に顔を洗い、歯磨きをし髪を綺麗にする。そして朝ごはんを食べる。


「ごちそうさまでした!」

「紅葉、今日帰り遅いんだっけ?」

「あ、うん、今日電気屋さん寄るから、遅くなる!」

「用が終わったら連絡ちょうだいね」

「はい!」


 再び部屋に戻り、今日持っていくラノベを選ぶ。


「今日は転ゴブと一男持って行こ!」


 カバンにお弁当とラノベを入れて、家を出る。


「じゃあお母さん、行ってきます!」

「行ってらっしゃい」


------


「ああ、今日になっちまった、嫌だな、松井さんに問われた時、なんて言えばいいか分からないし」


 布団を頭からかぶりながら考えていると、下から母さんの声が聞こえる。


「直哉起きなさい!」

「おお! 起きてる!」


(松井さんのことはとりあえず、あとで考えるとして、今日発売される「スマシス」を楽しみに学校行くか、でもやっぱ松井さんのこと意識しちゃうな......)


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