第14話 我にかえる

いつか

閉じたまぶたが

開かなくなると


病院の待合室で

急に思うと


目の前にある絵も

ファンヒーターも

自分のブーツも


よくよくと

見てしまう私になり


少しの間

生きて在る

貴重さを


思い知る


独りだと


そして

二人になると

またわがままにも

なって


いつものやりとりが

始まるだけ


我にかえる

貴重さを


何度も

与えてほしい

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