とりあえず俺は平凡な人生を送りたいんだが

水城しゅう

第1話プロローグ

「ネクタイ曲がってないかなぁ...」


前髪を整たり、身支度をしているとついつい色々なことが気になってしまう。準備をしていると携帯電話がなっていた。...妹の律からだ。


「お兄ちゃん、準備まだ終わらないの?急がないと式始まっちゃうよ!」


時計を見ると13:30分を指していた。式が14:00からだから確かにヤバい。


「いや、ネクタイがずれているような気がして気になるんだよ...」


携帯の奥からため息が聞こえた。


「はぁ、今さら何いってるの?お兄ちゃん、いつもいろいろずれてるじゃん...」


やかましいわ、いつものように律は俺に毒づく。まぁもう慣れたから嫌じゃないけどね。


「それからね、--さんものすごく綺麗だったよ!お兄ちゃんにはもったいないね」


クスクス笑いながらそんなことをいっている。だけどその声音はとても優しく聞こえた。最後に、と律は一言、


"お兄ちゃん、結婚おめでとう"


そういうと律は電話をきった。

携帯をしまい、最後にもう一度スケジュールの確認をし部屋をでた。













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