第13話 永遠に続く、勇者の戦い(2019-12-22)

異世界に召喚された私。

なぜか、悪の組織の女幹部やってるんだけど?



悪の組織、というのが、何をしている所かよく分からない。


毎日毎日、押し付けられた部下が、勇者にヤラレタだの、組織の施設壊されたから、修復の予算をくれ、だの。

なんで、そんな仕事を私がしなくちゃいけなんだろう?

とりあえず、補助につけてくれた執事が殆どの報告書だのを処理してくれてるから、なんとかなってるけど。

仕事は見て覚えろ、ということなのかな?


それはともかくとして〜・・・

せっかく、異世界に来たのに全然楽しめてないし、もう不満が爆発しそう。

そんな中、ついに、私たち幹部の一人がヤラレタ、という報告があって。



「奴は我ら四天王のうちでも最弱」

「フフフ…奴は四天王の中でも最弱…」

「人間如きにやられるとは魔族のツラ汚しよ…」


ナニコレ?

なんか、緊急幹部会とかで集められた、と思ったら、どこかで聞いたようなセリフを言い出す方々。


じゃぁ、今度は私の出番になるの?やだなぁ・・・とか思ってたら、

「入ってこい!」

その言葉と共に、可愛らしい男の子2人が入ってきたの。


「彼らが新しい幹部だ。」

「これで、我ら、五人衆も安泰だ。」


あれ?四天王じゃなかったの?


「か・・・かわい〜〜!」

「ちょ・・・ちょっと、やめてください!」

隣に座ってきた子(ニムくんって言うらしい)をもみくちゃにする。


ちょっと疑問に思ったけど、この時は、隣に座ってきた男の子の頭を撫でて可愛がるのに夢中で深く追求しなかったんだ。




それからしばらくして。

勇者との決着をつける!と、鼻息も荒い幹部たちに連れられて、決戦の場に連れてこられたの。


そして・・・


そこで、初めて勇者様を見た。

ふわっとした金髪に、まばゆく輝く白い歯。

襲い掛かる戦闘員たちに立ち向かう真剣な眼差し。

ちくり、と痛む胸を押さえて、私、思ったの。

あぁ。この人が・・・この人こそが、私を悪の組織の女幹部なんて役目から解放してくれる、私の王子様だ。


でもね、そんな事を思った時の事なんだけど・・・


勇者様の振るった剣が、うちの幹部にかすっちゃって。

途端に吹っ飛ぶ幹部たち。


勇者様、つよっ!

と、思ったのも束の間。


ジャジャーン!!!


途端に鳴り響く、ドラのような音


「ヤツは、我ら百人衆の中でも最弱!」

って、あんたらいつの間に100人まで増えてたの?!


そして追加される幹部。


「我ら、101匹幹部ちゃんが勇者を倒してくれよう!」


なんか、可愛い名前になっちゃったけど、これ、いつになったら終わるの?



***


ふと思いついたネタ。

いや、なんとなく、四天王が増殖していくネタは覚えがあるような気が。。。

なんだったかな?

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