第11話
おかしいですか? 私もおかしいと思っているのです。おそらくは妻だって奇妙に感じているでしょう。羊を数えるほどつまらない男と、なぜ彼女たちは寝るのでしょうか。不思議と思いつつ、私だって思い返せば、立ちもしない女となぜ夫婦でいたいのか、なぜそんな女を引き留めるのに、こんなにも必死でいるのか解りません。
二人で、隠し事なしによくよく話し合いました。妻の不満はやはり、私のイチモツが自分の前では立たないということでした。私の不満は、突き詰めれば、どうして妻の前では萎びたままで思い通りにならないのか、でした。
けれど、妻が私を前に羊を数えたり余所の男とすり替えていたりすると聞いた時にはなぜでしょう、ムラムラと、怒りだけではない何かが湧き上がったのです。それは触手呼ばわりをされた時にはなおさら顕著に表れました。
有り体に申し上げれば、触手になんぞ負けてたまるか、と。久々に、思いました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます