第3話
それにしても思いきったものだと思われるでしょうか。夫婦交換は、いわば公認でのダブル不倫と変わりがないと、そう思われるかも知れません。……実のところはまったく違うと思っておりますし、同じ扱いなどされたくありませんがね。
妻と私のなれ初めはよくあるような話です。また飛躍してしまって申し訳ない、なんと言うか、どこから話せばよいものやら戸惑いが半分というところです。二人の出会いは……と言って、もう十数年以上も前になる話ですから、私にとっては懐かしいのですが、他の方にはつまらない話かも知れません。二人の出会いは大学内でした。
妻はとても美しく、若い時分はまた、よくモテてもいました。キャンパスのマドンナ的存在で、男子学生に彼女を知らぬ者など居ないというほどの人気ぶりでした。さりとて、女史たちに妬まれたり嫌われたりという所もありはしません。男女ともに人気者という、まさしく稀有な存在でした。
私はと言いますと、まったく平凡な、どこにでも居る目立たない上京したての一学生です。時々講義が一緒になる程度で、後々、彼女と結婚することになろうとは夢にも思ってなどいませんでした。
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