ホラーたんてい「生みの親」 たち
くろかーたー
始まる ┈藍と茶のむかし┈
元の娘
私はタイリクオオカミ、自称だが作家をしているフレンズだ。
アリツカゲラのアリツさんが経営しているロッジの一室を貸してもらって、漫画を書かせてもらっている。
今日も今日とて、徹夜をして眠い目しながら漫画の下書きも終わったから、いよいよペン入れをしようとした矢先、ほらバタバタ音を立てて彼女が入って来た。
──タッタ…バターン
「先生!失礼します、無理してないですか!?・・・あーまたその眼は・・・寝ていないのですね」
「ノックくらいしてくれないか?確かに寝てないから私は機嫌も相当悪いんだが?」
若干口調を強めに言ってしまった。寝不足とは言え、彼女には申し訳ないことをした。
「あうう・・・すみません。一つ差し入れと聞きたいことがありまして」
彼女はアミメキリン。彼女も自称だが探偵をしていて、私のアシスタントみたいなのもしてくれている長いマフラーをした子だ。どっかでは名探偵とも言われてて、まぁ・・・とてもいい子だよ。
今は考えるより動く事を優先してしまったことを謝ってくれている。
何やら私に持ってきたものと、聞きたいことがあるようだが。
「いいよ、そこに座って。まずは一つずつ聞こうじゃないか」
「あ、じゃぁまずはこれを。コレ、チョコ味のジャパリまんだそうです。チョコは、頭をかっせーか?してくれて作業に集中出来る、と博士と助手が。
あ、ちゃんと3つ私たちの分も入ってる♪」
そう言ってガサガサと袋を開け、1つを渡すキリン。
なるほど。何だかんだ長たちも私の作品を楽しみにしてくれて、こんな差し入れを用意するとは。
だが後で聞いたのだが、少しお酒みたいなのが混ざっていたそうじゃないか。全く・・・。
まぁそういう気遣いをされた以上、私もそれにしっかりと答えないといけない。
だが、その前にだ。
「ありがとう。それでキリン、君はもう一つなにかあるんじゃないか。そっちも教えてくれないかな」
「あ、そうですね!!これは私から聞きたいこと何ですが・・・」
少し聞くのを戸惑う素振りを見せつつ、さらに口を開く彼女。
「先生の、描いてらっしゃるギロギロは・・・そのモデルのフレンズの方とかいるのですか?」
…いつかは聞かれると思っていたが、とうとう来たか。
「フフ・・・このギロギロはね、
私の頭の中を縦に突き破って出てきたんだよ…ぬるりとね」
「ひ、、ひぃまた先生~…」
「はは、そこそこいい顔いただき!でも、私が考えた存在だからウソではないだろう?」
そう、私の発想から生まれたのだから本当のことだ。突き破ってはともかくとして・・・ね。
だがせっかく聞いてくれたんだ、ペンを置いて真面目に話を続けることにした。
「でもね、確かに彼女はモデルになる存在がいたんだ。昔の話だけどね」
「え、昔にいた・・・ですか?今は」
「そのお話を、今少ししてあげるよ。せっかく聞いてくれたんだしね」
少しキリンの話を遮りつつ、続きを話すことにした。
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