老人学校

@noritaka1103

第1話 入学式

「配属されたはいいが、ここ本当に学校なのか…?とりあえず入ってみるか。」

恐る恐る校内に入ると一人の男に声を掛けられた。


「あなたは、もしかして配属になった英(はなぶさ)先生?」

「はい…私が英 貴一(はなぶさ・きいち)ですが?ここ、本当に学校なんですか?」

「…学校です!まあ、普通の所とは違いますけどね。要はお爺ちゃん・お婆ちゃん専用の学校です。申し遅れました、校長の目時 登(めとき・のぼる)です。」

見た感じ若そうだったから、ここの教務主任的な方なのかな?と勝手に思っていたらまさかの校長先生だった。

(随分、失礼な態度を取っちゃったけど大丈夫かな…。)


「そうそう、英先生。あなたにはそのお爺ちゃん・お婆ちゃん(以降は爺・婆)の担任をしてもらいます。」

いきなり、担任か。そして、生徒は自分より年上。不安だ、めちゃくちゃ不安だ!


入学式

「えー、只今より入学式を執り行います。名前を呼ばれたら手を挙げてください。」

「1番伊藤………13番中畑!以上、1組13名。」

ってか、僕の担当クラスは13名だけど他のクラスは20名とか…。どういう基準で分けられてるんだろう?


「皆さん、おはようございます。本日より皆さんの担任となりました、英 貴一と言います。一年間、よろしくお願いいたします。」

とは言ったが、耳が遠い人も居るため何度も同じセリフを繰り返した。

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