第31話

街の全景が見渡せる小高い丘にアンドロイドと少女。


タサキに無事、脱出できたことをメールで知らせるとリュシーは満身創痍のゼプスに寄り添った。


倒したネプチューンのパーツを代用して何とか動くまでになりパルスウォールも抜け出せた。 


「このままずっと一緒に。」とリュシーはゼプスのゴツゴツとした手を握った。


「コレカラドウシヨウカ。」時間はたっぷりある人間になりたがっていたアンドロイドは少女の手を優しく握り返した。


「まずは修理しないとね。タサキさんがこの先に腕のいい修理工を待たせてるって。」


「タサキサン?コムサットノ役員カ。ハナシガツナガッタ。ソレニシテモ君ト会ッタノハ奇蹟ダナ。運命トカソウイウモノカ。」


機械人間が非科学的な事を言い出すのでリュシーは笑った。


「そうだね。きっとそうだよ!」


まぶしい笑顔を浮かべながらゼプスの顔に抱きつく。


無表情なアンドロイドがちょっと照れたように見えた。

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