Page55:幽霊船で大アバレ
「……ガミジン」
蛇の頭がニタニタとこちらを見つめてくる。
「大人しく街で狩られていればよかったものを……余程無駄死にしたいらしいな。だが安心しなさい。お前達の死体と魂は私が有意義に活用してやる」
「何が有意義ですか。命を命とも思っていない外道の所業をしておいて」
下卑た笑みで品定めをする様に見てくるガミジンに、怒り心頭するマリー。
そしてレイ達は各々武器を構えて、臨戦態勢へと入った。
「……おいガミジン、一つ聞いてもいいか」
「なんだ小僧?」
「何でこんなもん造ったんだ。これだけの技術力があれば、表立って認められるような発明だってできただろ」
「知れた事。所詮私は外道学問の探究者」
「教会が認めないからこんな事したってのか?」
「それは違うな」
意外な返答が飛んできて、レイは思わず口を半開きにする。
「教会なぞどうでも良い。目の前に可能性があったから試したまでの事。研究職の者なら誰にだって理解出来る筈だ」
「……解らねぇし、解りたくもねーよ。その探究心のせいでどれだけの人間が死んだと思ってるんだ!」
「必要な犠牲だ。全ては大義を成す為の栄誉の贄……むしろ光栄に思って貰いたいものだがね」
「ひどい……命をなんだと思ってるんですか!」
「踏み台だ。どうせ何時かは我々が殲滅する命。ただ死ぬのが早いか遅いかの違いに過ぎん!」
「下種ヤロウ」
ガミジンのあまりの醜悪さに悪態を吐くアリス。
この悪魔には殺人に対する忌避感がまるで存在しない。
そしてその嫌悪感はレイ達も同じ様に抱いていた。
「で、ここまで大層なもんを造って、何処の国に売りつけるつもりなんだ?」
「売る? そんな野蛮な事はせんよ。この義体は我々の故国に捧げるのみ。そして私は至上の褒美を貰う」
「褒美?」
「そうだ。誰もが羨む美味い飯、艶美な身体の女、莫大な金と権力! この船を完成させた暁には、その全てが私の手中に入る! その為に私は五年も努力してきたのだ」
宝物探しの夢を語る子供のように、嬉々爛々と語り出すガミジン。
その様を前にして、マリー達はいよいよ嫌悪感を隠せなくなった。
この悪魔は邪悪すぎる。目の前の蛇は底なしの強欲を孕んでいる。
「……一瞬でもお前の中の人間に期待したのが馬鹿だったよ」
この悪魔は、此処で討たねばならない。
レイはコンパスブラスターの柄を握り締めて、その切っ先をガミジンに向けた。
「技術は、知恵は誰かを守る為の力だ!」
「ほざけ! 知識は願いを叶える為の力だ!」
「テメェは此処でぶっ潰す!」
「そんなに死にたいか小僧! ならば早急に楽にしてやる!」
そう叫ぶとガミジンは、一本の注射器を取り出した。
中に入っているのは黒く禍々しい粘液、魔僕呪。
ガミジンは注射器を握り締めると、自身の腕に勢いよく針を突き刺した。
「ヌゥゥゥゥゥゥゥオオォォォォォォォォォ!!!」
魔僕呪の効能で魔力が活性化したせいか、ガミジンの肉体は見る見る巨大化していく。
あまりの光景に呆気にとられるレイ達。
そしてものの数秒で、ガミジンの身体は二メートル超はあろうかという巨体へと変貌してしまった。
「海の上に逃げ道など存在せん! ここで貴様ら全員殺してくれる!」
「レイ」
「あぁ、敵さん今回はマジらしいな」
「ですが逃げ道が無いのは向こうも同じ」
「それにここは街中じゃありません!」
そう、ここは幽霊船の内部。
壊して困る様なものは存在しない。
「つまりこっちも思いっきり本気を出せるって訳だ!」
レイ達の身体の中で魔力が加速する。
久々の本気という事で、気が一瞬にして引き締まった。
「フンヌゥゥゥゥゥゥ!!!」
「させません!」
肥大化したガミジンの巨椀が、レイ達に襲い掛かる。
が、それをオリーブは片手で受け止めてしまう。
固有魔法で強化されたオリーブにとって、この程度の物理攻撃は大した威力にはならない。
受け止めた際の衝撃で床材が砕けるが、瞬時に跳んで、オリーブは落下を回避する。
「今度はこっちからいきますよー!」
オリーブはグリモリーダーから
「インクチャージ!」
漆黒の魔力が大槌の頭部に集中する。
「タイタン・スマッシャー!」
魔法名を宣言して、オリーブは大きく振りかぶる。
強化された肉体が放つ高速の一振り。
ガミジンは避ける間もなく、それを頭部で受け止めてしまった。
――ドゴォォォォォォォォォォン!!!――
けたたましい轟音を響かせて、ガミジンは竜骨付近まで落とされてしまう。
普通なら巨岩を砂に変える程の威力なのだが、魔僕呪で強化されたガミジンには耐えられてしまった。
両腕を伸ばして、這いあがってくるガミジン。
「これしきのォ、これしきの事ォォォ!」
ガミジンは再び心臓部へと顔を出すが……
「チャージの時間は十分にありましてよ。ミスター・スネーク」
インクチャージを終えたマリーが、大穴に向けて双銃の銃口を向けていた。
「シュトゥルーム・ゲヴリュール!」
クーゲルとシュライバー、二挺の魔銃から放たれる強烈な螺旋水流。
鉄をも貫く水圧を兼ね備えたそれが、ガミジンの身体に襲い掛かる。
「グヌァァァァァ!?」
咄嗟に右腕で防御をとる。
だが先程のオリーブの技で受けたダメージも相まって、ガミジンは右腕の肉を大きく抉り取られた。
「――ッッッ!!! ならばコイツらの手を借りるまでよ!」
ガミジンが腰に下げていた小樽を握り潰すと、中から大量の魔僕呪が床に落ちる。
そしてゴポゴポと音を立てて、何体ものボーツが召喚された。
すぐさま幽霊を呼び出し、ガミジンはボーツに憑依させる。
「やれェ! 殺せェ!」
強靭な脚力を持ってして上がってくるボーツ達。
憑依した幽霊を介してガミジンに自由自在に操られている。
「「「ボォォォォォォォォォツ!」」」
腕を構や槍の形状に変化させて、ボーツは一斉に襲い掛かる。
「みんなはボーツを頼む。俺はあの蛇野郎を叩く!」
道を塞ぐボーツを斬り落とし、レイは大穴の中へと飛び込む。
「どらぁぁぁぁぁ!!!」
「フンッ!」
落下の勢いを乗せて斬りかかるレイの一撃を、ガミジンは左腕で受け止める。
だが案の定、通常の剣撃では碌なダメージを与えられない。
「小僧、まずは貴様から殺してくれる!」
「そうなる前にお前を倒す」
レイの挑発に憤ったのか、ガミジンは大口を開けて、その巨大な蛇の牙で攻撃を仕掛ける。
変幻自在な軌道を描き伸びてくる首。
だがそれに直面しても、レイの脳内は冷静であった。
「(脚力強化……動体視力強化)」
武闘王波で必要なものを強化する。
強化された視力でガミジンの動きを読み、脚力を以って回避し続ける。
中々当たらない攻撃にムキになるガミジン。徐々にその動きも乱雑化してきた。
その隙にレイはコンパスブラスターに獣魂栞を挿入する。
「(魔力刃生成、破壊力強化、出力強制上昇……)」
頭の中で複数の術式を同時並行で組み立てる。
ここなら余波で被害が出ても問題無い。
惹きつけて、惹きつけて……今だ。
「
――斬ァァァァァァァァァン!!!――
最大出力。最高威力。
敵は咄嗟にガードを試みたがもう遅い。
今まで発動した事は殆どない、本気の一撃をレイは躊躇うこと無くガミジンに叩きこんだ。
「――ッッッ!?!?!?」
声にならない悲鳴を上げるガミジン。
咄嗟のガードで致命傷は避けられたものの、左腕を切断される羽目となった。
それだけではない。
偽典一閃の余波で船内が大きく揺れる。
床はひび割れ、壁は大きな音を鳴らして剥がれる。
そして剥がれた内壁の向こうから、無機質な鉄の骨が露出した。
「あれが兵器の本体か」
バハムートの遺体を取り込み、人々の魂を動力に変えている魔導兵器。
レイはコンパスブラスターを逆手に持ち換えて、破壊しようとするが……
「させぬわァァァ!」
突如飛来してきた黒炎を間一髪で回避するレイ。
よく見れば、右腕を再生したガミジンが、ダークドライバーを構えていた。
「させん、させんぞ。貴様のような童に私の五年間を破壊させてなるものか!」
「知るかバーカ」
レイを兵器の骨格から遠さげる為に黒炎を乱射するガミジン。
まだ動体視力と脚力の強化が残っていたレイはそれをひらりひらりと躱していく。
だが回避のみで攻撃には至れない。
「(さぁて、どうするかな)」
やるべきことは三つ。
ガミジンの撃破、魔導兵器(幽霊船)の破壊、バハムートの心臓の破壊。
できる事なら兵器と心臓の破壊を優先したいところだが、この状況では敵がそれを許してくれそうにない。
かと言って先にガミジンを撃破しようにも、あの黒炎が邪魔をする。
「(ん、待てよ……黒炎?)」
ふとレイの脳裏にスレイプニルの言葉が思い出される。
ダークドライバーが放つ黒炎の特徴は……
「(そうだ、いいことを思いついた!)」
一つの策を閃いたレイは、回避の仕方を少し変えた。
ただ避けるのではなく、ガミジンを誘導する様に動きまわる。
「よっと!」
そして強化した脚力を使って、レイは再びバハムートの心臓がある部屋へと上っていった。
「レイ」
「レイ君!」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫。それよりみんな全力で回避行動に移ってくれ」
既にボーツを倒し終えた上階の部屋で、アリス達が心配の声をかけるが、レイは間髪入れずに指示を出す。
するとそれに合わせたかの様に、下階からガミジンが這い上がって来た。
「逃がさんぞォ! 小僧ォ!」
「そーら、おいでなすった!」
上階に辿り着いくや否や、ガミジンはダークドライバーから黒炎を乱射する。
「全員逃げろ! アリス、サポート頼む!」
「りょーかい」
指示通りに黒炎から逃げる一同。
その一方でレイはガミジンを挑発し始めた。
「オラどうした野郎! 俺はここだぞ!」
「そんなに死にたいなら最初に殺してくれる!」
レイに照準を合わせて攻撃を続けるガミジン。
だがレイはそれに反撃する事はなく、ひたすら逃げ回るのみ。
「フハハハ! 最早逃げる事しかできんかァ!」
「それはどうかな」
「何?」
「撃てよ。俺を殺したきゃ撃ち続けろよ」
そう言うとレイは、突然逃げる事を止めてその場に棒立ちになった。
「とうとう諦めたらしいな。これで終わらせてくれる」
ガミジンはレイに向けて、今までにない程大きな黒炎を解き放った。
「レイさん!」
「避けて!」
マリーとオリーブの叫びが聞こえるが、レイは微動だにしない。
ギリギリまで待って、待って、そして紙一重で横に避けた。
「本当に、俺以外見えてなかったな」
「何を言っ……しまった!?」
ガミジンがレイの思惑に気が付いた時には、既に遅かった。
黒炎はスピードを緩める事なく、レイの後ろに到達する。
レイの後ろにあったもの、バハムートの心臓に向かって。
「万物を喰らう炎だって? ならこれも破壊できるだろ」
「待て、止まれェェェ!!!」
ガミジンが悲痛な叫びを上げるが、黒炎は止まらない。
そして万物を喰らう炎は、バハムートの心臓へと着弾した。
ボウッと短い音を立てて抉られる心臓。
その傷口から大量の魔力が零れ出すと同時に、数十個の程の光の玉が外界へと解き放たれた。
「流石に全部は無理か」
『だが今ので目算四十三の魂が解放された』
「よく数えれたな」
『伊達に歳は取っていない。それよりも……』
「あぁ、話はそう上手くいかないみたいだな」
レイ達の視線の先には抉れたバハムートの心臓。
ただし傷口は塞がり、その抉れは徐々に再生しつつあった。
「丈夫過ぎる心臓ってのも考え物だな」
『これは再生を上回るスピードで破壊しなくてはならんな』
「だな……でもその前に」
振り返る。
そこにはワナワナと身体を震わせているガミジンの姿があった。
「よくも……よくも……」
「あの蛇野郎を倒さなきゃな。流石に二回も同じ手は通じないだろうし――」
「よくも私にィ! 神聖な陛下の義体を傷つけさせてくれたなァァァ!!!」
激昂。ガミジンの咆哮が船内に響き渡る。
「許さん! 貴様だけは、断じて許さん!」
「そりゃあこっちの台詞だ。テメェみたいな外道の存在、許してたまるか」
「ヌアァァァァァァァァァァ!!!」
狂乱したガミジンが巨大な腕を叩きつけてくるが、単純な軌道だったのでレイは容易く回避する。
「これならばどうだァァァ!」
「おっと」
再びダークドライバーから黒炎を連射するガミジン。
だがこれもレイは回避する。
「当たらない当たらない。それともう一つ、今の俺は一人じゃないって事忘れてないか?」
「何? ――はっ!?」
突然の気配を察知し、慌てて振り向くガミジン。
そこには大槌を構え、今まさに振りかぶろうとしているオリーブの姿があった。
「エンチャント・メガパウンド!」
魔法名を宣言してガミジンの右腕に叩きつける。
だが大ダメージには至っていない。
「フン、この程度の攻撃――何だと!?」
弱々しい一撃だと嘲笑しようとしたガミジン。
だがその感情は一瞬にして消え去った。
右腕が動かない。まるで石にでもされたかのように微動だにしないのだ。
「どういう事だ、腕が動かんッ」
「アリスの幻覚魔法をエンチャントした」
「合体必殺技です!」
だがそれでは終わらない。
――弾ッ!――
一発の銃声が鳴ると同時に、ガミジンの右手からダークドライバーが弾き飛ばされた。
「その
「おのれェェェ!」
怒りと憎悪が混じった声色でガミジンが絶叫する。
しかしその一瞬の隙があれば十分だ。
『レイ!』
「応よ! インクチャージ!」
獣魂栞を挿入したコンパスブラスターを逆手に持ち、必要な術式を組み込む。
魔力刃生成、破壊力強化、攻撃エネルギー侵食特性付与、出力強制上昇、固有魔法接続。
コンパスブラスターの刀身が白銀の光を帯びていく。
「後ろの心臓ごとぶち抜いてやる!」
今までの峰打ちとは違う。
これが本当の、本気の必殺技。
「
――斬ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!――
膨大な破壊エネルギーを帯びた刀身が、ガミジンの胴体とその背後に位置していたバハムートの心臓を貫く。
「――――!?!?!?」
斬りつけられたエネルギーはガミジンの全身に回り、その身体を内側から破壊していった。
そしてそれは、背後にあったバハムートの心臓も例外ではない。
銀牙一閃の攻撃を受けた心臓は、凄まじい勢いで表面を破裂させていく。
破裂が次の破裂を呼び、心臓の破壊を連鎖させる。
そして無数に出来た傷口からは、無数の光の玉が外界へと解き放たれていった。
「中に閉じ込められていた魂も大分解放できたみたいだな」
『あぁ。だが全てではない』
「だよなー。結構本気でやったのに、まだ心臓残ってるし」
『バハムートの心臓は幾つもの層になっている。そう簡単には破壊できぬさ』
「やっぱり丈夫過ぎるのも考え物だな」
津波のような勢いで解放されていく魂達を見つめる。
これだけの魂を失えば、もう兵器として運用する事は出来ないだろう。
「終わったんですね」
「あぁ、一先ずはな」
「レイさん、バハムートの心臓が再生を始めています」
「分かってる。さっさと全部壊しちまおう」
レイは再びコンパスブラスターに獣魂栞を挿入する。
そして心臓に向けて構えをとった次の瞬間――
「させぬわァァァ!」
「ッ!?」
突如伸びて来た蛇の頭を寸で回避する。
全身の肉が弾け飛んだ筈のガミジンだったが、ある程度再生をしたのか両腕で這って迫ってきた。
「よくも、私の五年間の努力を……」
「こんな努力なら糞くらえですわ」
「こんな童如きにィィィィィィィ!!!」
ガミジン伸ばした首を荒ぶらせて、レイ達に襲い掛かる。
だが所詮は無茶な行動の産物。簡単に避けれてしまう。
しかしその回避行動のせいで、レイ達は心臓から距離を置かれてしまった。
「殺してやる……皆殺しにしてやる……」
うわ言のように呟きながら、ガミジンはバハムートの心臓に縋りつく。
「おい、何する気だ!」
「貴様らも、街の人間も全員! 私の手で殺してやるゥゥゥ!!!」
そう叫ぶとガミジンは、いつの間にか拾い上げていたダークドライバーを、バハムートの心臓に突き刺した。
すると、バハムートの心臓に繋がっていたチューブが次々にガミジンの身体へと刺さっていった。
ズプズプと再生途中の心臓に取り込まれていくガミジンの肉体。
「たとえ溜め込んだ魂が無くなろうと、貴様らを殺すだけの蓄えは手元にある!」
そう言ってガミジンは一つのカンテラを手に掲げた。
見覚えがある。見間違える筈もない。
教会でガミジンが幽霊を出したカンテラだ。
『お兄さん……』
「ッ! 今の声」
カンテラから聞き覚えのある声がする。
この幼い声は間違いない、メアリーのものだ。
「って事はあの中に――オイ! それをこっちに」
「レイ、足元」
アリスの言葉で慌てて足元を確認する。
レイの立っていた床は大きくひび割れて今にも崩落しそうになっていた。
それどころか幽霊船自体も、気を緩めたら立っていられないような揺れを始めている。
『不味いぞ、この揺れではすぐに崩落する』
「レイさん、一度脱出しましょう」
「けどアイツの手には――」
『レイ、ここは一度引くべきだ』
既にオリーブが船の壁を破壊して脱出口を作っている。
その向こうには鎧装獣化したロキの姿。
まだバハムートとメアリーを解放させられていないレイは、渋々ながら脱出を決意した。
◆
ロキの背中に乗って、一度幽霊船を脱出したレイ達。
上空から、幽霊船が崩落していく様子を見つめる。
「……? あれは何でしょうか」
マリーに指摘されて、レイは幽霊船を凝視する。
ボロボロと崩れていく幽霊船。
だがその内側から、蜘蛛のような手足を生やした何かが出てきた。
「アレが……幽霊船の、兵器としての姿か」
最早そこに、ガレオン船としての面影は無かった。
巨大な鯨、バハムートの腐敗した肉体を中心に生えている八本の鉄の足。
胴体から剣山のごとく伸びている大砲やバリスタ。
船とも魔獣とも形容し難い異形。
教会の設計図に描かれていた、最悪の魔導兵器の姿がそこにはあった。
「許サンゾ……全テ、私ノ手デ殺シテクレルゥゥゥ!」
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