出前が私をダメにする

@BEN-G

第1話


はい、どうもben-gですこんにちは。

この章では出前というのがどんなに素晴らしく、またどんなに自堕落にさせるシステムかというのを熱弁したいと思っております。


出前、それは引きこもりにとっては悪魔の囁き、あるいは知恵の実、わたくしめは思いました。「我々は、はちみつがあんなに甘いと知らなければ、はちみつを求めたりはしなかっただろう。」…と。

しかしながら出前初心者、恥ずかしがりからするとハードルの高いものでございます。なにしろ個人情報がダダ漏れてしまうではありませんか。家に届けてくれるではありませんか。そしてご対面するではありませんか。そうした複数の課題を乗り越えてチープでジャンクな食べ物を食べるこの自堕落さ。宅配人は思うのです。ドアを開けるともっさりしたいかにもお風呂に入ってませんという雰囲気を醸し出した寝巻きの人間が現れる。「うわっ。こいつぜってーモテねーわ。ゴミ屋敷かよ。いかにもな奴が出てきたわ。こんだけ頼んでパーティじゃねえのかよ。」その羞恥と戦いながらサッと受け取り引きこもります。

ああ、それでなんでしたか、出前の素晴らしさ、そう、出前の素晴らしさ!

まず第一に、家から出なくて良いのです。タン、タタタンで食べ物が来るのです。なんて自堕落!!皆さまご自分のことを引きこもりだと思ってはいませんか?されどコンビニまで何か食物を買いに行くでしょう。スーパーに買いに行くでしょう。それは真の引きこもりではありません。良かったですね、あなたはまだ、家の外に出るエネルギーが残っているのです。歯を磨かずとも、風呂に入らずとも、まだ外に出る気力は残っている。素晴らしい。それを通り越して屍同然になった時、出前というものがなんとも鈍く怪しく光りだすのです。

しかして出前にはデメリットもあるのです。それはチープでジャンクであること。ピザ、パスタ、カレー、これは出前三大カテゴリーでございます。文字からも分かる通り栄養素がございません。ローテーションで食べ続けたとすると高い確率で糖尿病になるでしょう。ええたしかに、これらのみではありませんし、サイドメニューで補えるかもしれません。いやしかし、補いきれるものではないのです。次に対面。そう対面するのです。商品の受け渡しに対面し、しかも家の中をチラ見されるかもしれないというリスクがございます。逆に言えばパーリーピーポーはこれ見よがしに見せつけるといいでしょう。自らのリア充さを。パーリーするから出前を取るのです。恋人達も見せつけるといいでしょう。自分達の愛し合う様を!おうちデートの新たな形、マンネリを感じたならお試しください。

しかしてわたくしめは出前に物申したい事がございます。最近一般人が出前をするというシステムがあるらしいのですが、

「一般人に小銭はやらねえ。」

これを一言申し上げたい。

とってつけたようなデリバラーにはお小遣い稼ぎをさせてやらねえですよ!!こちとら引きこもりたいのに鞭打って満員電車に揺られて稼いだ金銭を、出前をする時だけ店員になるようなにわか店員にはやらねえってんですよ。え?ええ、それで…そう、出前はとても良いシステムです。


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