カクヨム作者への10の質問

鈴草 結花

カクヨム作者への10以上の質問


★とある朝のニュース番組にて


 ――はい! 今週も始まりました、人気コーナー「カクヨム作者への10の質問」。本日お越しいただいたのは、執筆が遅いことにかけては天下一品のナマケモノ作家、鈴草結花さんです! では鈴草さん、よろしくお願いいたしまーす。


「何か悪口が聞こえたような気がしましたが、気のせいですね。はい、よろしくお願いします。(あとで覚えとけよ)」


 ――私も何か聞こえたような気がしましたが、気のせいですね。

 ――ではまず、ペンネームとその由来を教えてください。


「ペンネームはちりんちりん鳴る『鈴』に、草花の『草』、『結(むすぶ)』に『花』で『鈴草結花』です。

 ペンネームを考案する際、最も重視したことは『自分らしい名前であること』でした。そこで、とりあえず好きな漢字を片っ端からスマホに打ってみたんですね。確か、十数個くらいあったと思います。その中でも特に好きな四つをピックアップし、適当に並べてみてたら、なんとびっくり。めちゃくちゃしっくりきたんです。それが『鈴草結花』でした」


 ――なるほど。なんか草花感あふれてますけど、お好きなんですか?


「はい。特に、オオイヌノフグリとか可愛いらしくて好きですね」


 ――そうなんですね〜(何の花だろ)。

 ――では、ズバリ、鈴草さんの代表作は何でしょうか。ご自身が思うもので結構ですよ。


「『瑠璃の王石』ですね。書いている期間も長いですし、思い入れもかなり強いです。この物語を書きたくて、小説を書き始めたようなものですから。でも、一番人気が高いのは『夢幻堂』のようですね。正直、当初はここまでレビューをいただけるとは思っていなかったので非常に驚いています」


 ――では、ここで読者の皆様から届いたメッセージをご紹介しましょう。一通目は、おそらく日本のどこかにお住まいのPさんより。


Pさん :

「本作は王道ファンタジーです。敵国から攻められ、王妃と王女が国を離れるところから話が始まります。

 この作品のよいところは中世らしい世界観の中で生きる、優しくて魅力的な人々であると思います。主人公のハーシェルはもちろんのこと、取り巻く周囲の人々にもしっかりとした個性があります」(『瑠璃の王石』レビューより)


 ――二通目、Aさんより。


Aさん :

「ここまで読んで思ったのですが、この作品は描写が細かく、頭の中に容易に情景が浮かんできますね! 物語の世界が確かに感じられる文章力が、すばらしいです」(『瑠璃の王石』第8話コメントより)


 ――なるほど、『瑠璃の王石』は中世を舞台にした王国物のファンタジーというわけですね。個性豊かなキャラクターと、情景が想像しやすい表現が魅力のようです。

 ――続きまして、同じくおそらく日本のどこかにお住まいのMさんより。


Mさん :

「夏祭りって、どこか他とは違う不思議な雰囲気があるって思いませんか? 主人公さくらが迷い込んだのも、そんな夏祭りから続いている、少し不思議な世界でした。

 ずっとここにいると帰れなくなる。そう言われて帰る方法を探すのですが、所々に描かれている祭りの描写がとても綺麗で、帰れなくなると言う恐怖があるにも関わらず、ただ怖いだけでない幻想的な雰囲気を醸し出していました。

 最後、ずっとさくらのそばにいてくれた少年との結末が印象に残りました。」(『夢幻堂』レビューより)


 ――おやおや、対して『夢幻堂』は日本人らしい夏祭りが舞台のようす。しかし、ただの夏祭りではないようですね。「帰れなくなる」とは、どういうことでしょう。幻想的な雰囲気と、物語の結末に注目しながら読んでみたいですね。

 ――いやぁ、とても素敵なメッセージでしたね。鈴草さん、このようなお言葉をいただいてのご感想は?


「ちょっと褒め過ぎじゃないですかね」


 ――私もそう思います。



『瑠璃の王石』はこちら

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885316704

『夢幻堂』はこちら

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885313293



 ――この他にも、皆様からはたくさんのメッセージをいただいています。詳細につきましては、当作品のコメント、レビュー欄をご覧下さい。


 ――ところで、鈴草さんの好きな作家と言えばどなたでしょうか? 三人ほど教えていただけると嬉しいのですが。


「初めて『この作家さん好きだ!』と思ったのは荻原規子さんでしたね。勾玉シリーズの、特に『白鳥異伝』が最高でした。拙作『瑠璃の王石』にも影響を与えた物語です。

 あと、『ハリー・ポッター』のJ・Kローリングさんには感服です。全巻を何度読み返したことか。素晴らしい点は挙げたらキリがないのですが、何といっても伏線の張りっぷりが大好きです。六巻に向けた伏線がすでに二巻で張られていたと気づいた時には、本当に衝撃を受けました。

 外国人作家の中では、ミヒャエル・エンデさんもいいですよね。『はてしない物語』はすごく面白かったです。久しぶりに初めから読み返したいなぁ。それから――」


 ――私は三人と申し上げたはずですが。


「まあいいじゃないですか、そんなケチケチしないで下さいよ。

 それから、やっぱり八咫烏シリーズの阿部智里さんですね。私、自分の好みとドンピシャで、かつめちゃくちゃ面白かった時にはなぜか敗北を感じるくせがあるのですが、三巻目の『黄金の烏』を読んだ時には『負けた』、と思いましたね。プロを相手に勝ち負けも何もないんですけど。とにかく、阿部智里さんはすんばらしいです。サイッコーに尊敬しています」


 ――興奮のあまり、語彙力がどこかへ飛んでいったようですね。

 ――今どき執筆はスマホやパソコンが主流のようですが、鈴草さんもそうですか?


「あー、執筆する作品によります。もともとは、完全手書き派でした。すべてルーズリーフに縦書きに書いて、ファイルにとじていたんです。でも今は、『瑠璃の王石』以外はスマホかパソコンですね」


 ――「以外」……?


「はい。スマホを手に入れて、手書きより断然早いと気づいてからはスマホやパソコンを活用するようになったのですが、『瑠璃の王石』だけは未だにルーズリーフにみっちり書いています。手書きで書き起こすと、スマホで打った時と文章が変わるんですよね。一文一文に対して丁寧に捉えられ、より洗練された文になるというか。そのため、今では


 スマホにざっと打つ

 → ルーズリーフに書き起こす

 → ルーズリーフに合わせてスマホの文章を修正する 

 → 投稿前に最終チェック 

 → 投稿


 が定番の流れになっています。『瑠璃の王石』以外は、『スマホかパソコンに打つ →投稿』で終了なんですけどね」


 ――ははあ、瑠璃の王石の執筆には格別の気合が入っているわけですね。ものすごく時間はかかりそうですけど。

 ――そんな鈴草さん、世間では「執筆が遅いことにかけては天下一品」との定評がありますが、最長で一日に何文字くらい書いたことがあるんですか?


「どうでしょう。三千文字くらいじゃないですか? もちろん、これはスマホで打ったときですよ」


 ――少なっ。さすが天下一品ですね。そんなことでは、更新を待ってる読者が離れて行ってしまうのでは?


「だからこそ、必ず完結させてから投稿し始めるようにしています。そうしないと、『では次回は一ヶ月後☆』なんてことになりかねないですから。あっ、『瑠璃の王石』以外ですよ。あれは無理です。だから、公言した隔週投稿が続けられるように今必死に書いてます」


 ――なるほど。ナマケモノ作家なりの工夫はされてると。

 ――執筆の際に、何かBGMや飲み物などのお供はありますか?


「曲や飲み物は一切いりません。スマホ一択です。イメージ写真から類語まで、片っ端から調べちゃいます。つくづく、スマホがある時代に生まれて良かったなぁと思います。カクヨムも楽しめますしね」


 ――本当にそうですよね。スマホがあるからこそ、収録の移動中に愛する彼女とビデオ通話もできますしね。


「何してんだよ」


 ――あっ、興味あります? えーっと、一番可愛く写ってる写真は……(ゴソゴソ


「一ミリも興味ありません。なので、収録中にスマホを取り出そうとするのはやめて下さい」


 ――ha-ha-ha、冗談ですよ。

 ――初めて小説を書かれたのはいつ頃だったんですか?


「小学校の四、五年生くらいの頃でしょうか。その時はコピー用紙で本の形を作って、表紙から懇切丁寧に作ってましたね。タイトルは『魔法のとびら』。家の地下に見たことのない扉があって、その向こうは魔法の国だった。そして、魔法学校に入ってスクールライフを楽しむ、なんて話でした。やる気満々で書き始めたんですけど、妖精に連れられて魔法の扉を見つけたところで物語は終了しました。

 その次に書いたのが、中学一年生の頃。なんか色々と鬱憤が溜まっていたので、『小説の中で日ごろの鬱憤晴らしてやろう!』と思い、私のありのままの生活に理想を足したような小説を書き始めました。これも完結させる気満々で書き始めたのですが、目覚まし時計を止めて、遅刻しそうになりながら学校に到着したところで物語は終了しました。私の継続力のなさよ」


 ――でも、『瑠璃の王石』はかなりの文字数を書かれてますよね?


「はい。実はその次に書き始めたのが『瑠璃の王石』だったのですが、なんというかもう……この物語は別格でした。この話がもっと聞きたい方は、次話の『おまけ』をご覧ください」


 ――説明するのが面倒くさくなりましたね?


「イヤハヤソンナコトハ」


 ――まあ時間もないことですし、次の質問に進みましょう。

 ――最近の悩みは何ですか?


「目が疲れることですかね。スマホで永遠に小説を書いていたいのに、集中力よりも先に目の限界がくるんです。それに比べて紙はいいですよね。半日ぶっ通しでも書いていられる」


 ――最近面白かった本などはありますか?


「最近読んで一番面白かったのは、東野圭吾さんの『恋のゴンドラ』ですね。私にしては珍しく、ラブコメです。東野圭吾さんはSF超大作『パラドックス13』しか読んだことがなかったのですが、これがめちゃくちゃ面白かったので、いつか他の本も読んで見たいと思ってたんです。『パラドックス13』もそうですが、『恋のゴンドラ』もかなり作り込まれた話でしたねぇ……。ミステリーは読まないからと今まで遠ざけていましたが、今『東野圭吾=面白い』が確信に変わりつつあります。

 漫画だと、和泉かねよしさんの『コールドゲーム』。同じ作家さんの『女王の花』が結構好きだったので、新作のこの漫画にも手を出してみたんです。中華風の世界が舞台だった『女王の花』に対して、『コールドゲーム』の舞台は中世ヨーロッパ風。この設定だけでも大好物なのですが、中身もすごくいい! 話も面白いし絵も綺麗なのですが、なにより主人公の王女が超カッコいいんです。武術に長けて、頭もいい。私の好みど真ん中ですね。

 映画では、この間金曜ロードショーでやってた『ハリー・ポッターと死の秘宝』です。見るのは何回目やら、って感じですが、まあやっぱり面白いですね。でも、見るたびに『本の方がもっと面白いのに……!』と思うことは変わりありません。来週は『ファンタスティックビースト』がテレビ初放送ですね。めちゃくちゃ楽しみにしています。まあ、もう映画館で観てますけど」


 ――ファンタスティックビーストと言えば、今映画館で新作が公開中のやつですよね。


「はい!!! 絶対に観に行きますっ!!!!!」


 ――ウワッ! ちょっと、こっちに唾飛んできたじゃないですか! 楽しみなのは結構ですけど、気をつけて下さいよ。


「ああ、すみません。ついテンション上がっちゃって……」


 ――まったくもう……。

 ――では最後に、カメラの向こうの視聴者に向かって、この先の予定とアピールをお願いします。


「はい。期限までに図書館でポイントを貯めて、必ずや五百円分の図書カードを手に入れます。皆さん、応援よろしくお願いいたします(キリッ」


 ――え? いや、あの、そういうことを言ってほしいんじゃ……は、なに? もう時間がない? 分かった分かった。今終わらせ――――……はいっ、ということで、無料品は例えティッシュだろうと手に入れる、絶賛ポイント貯蓄中カクヨム作者の鈴草結花さんでしたーっ! 鈴草さん、ありがとうございましたー。いやぁ、今後の活躍が楽しみですねぇ〜。――では、これにて今週の『カクヨム作者への10の質問』コーナーはおひらきです。皆さん、また来週〜」

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