第400話 カノン

 病院の近くの喫茶店で榊はタバコに火をつけた。店内にはピアノ曲『カノン』が流れていた。


「ビンゴ❗❗ ほら、見て」

 満面の笑顔でリナが隣りに座る榊にスマホの画像を見せた。

 龍崎レイラのインスタだ。


「レイラ様で検索したらすぐ引っ掛かったよ。やっぱ、お嬢様ねェ…… ほら見てよ」


「フフ、なるほど…、ルナにそっくりだ」

 コーヒーを飲みながら嫌らしい笑みを浮かべ画面を見つめた。


サーさんのにしては美少女じゃン……❗❗❗」

っとけよ……

 ッで、フルネームは❓❓」

「龍崎レイラ…… 資産数百億だってさァ~ー❗ ヒュゥゥ~ー❗❗」

「フゥン…、ご機嫌だなァ~ー❗❗」

「マジでルナが、このお嬢様に成り変わってンの……」

「ああ、やっと俺にも幸運ツキが巡ってきたッて事だ」

 また榊は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


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