第356話 榊ルナ

「お嬢様はバスが珍らしかったのでしょう」

 横から桐山アキラが助け舟を出した。


「……」私は小さく頷いた。


「なるほど…… では最後に……」

「……」最後……

「榊ルナと言う少女はご存じ有りませんか」


「❗❗❗」やはり本命は、それか。

 この刑事も私を『榊ルナ』だと疑っている……

 

 矢作は不敵な笑みを浮かべ私を見つめた。

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