第313話
「チッ、それがどうした……」横を向き、開き直った口調だ。
「このまま引き下がった方が得策だと……」
財布を取りだし、一万円札を数枚手渡した。
「な、何だよ…… これは」
手渡された金を確かめた。
「出来れば穏便に…… これで無かった事に」
「いや、ま、俺だって警察沙汰には……」
頭の後ろを掻きながら金をポケットにしまった。
金さえ手に入れば用はないのだろう。
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