第312話 向こうに非がある

「待って下さい……」悠然と後部座席から桐山アキラが出た。

 私は顔を伏せ親父から隠れるようにした。


「ン…、何だよ…… あんたは…❓」

 不審な眼差しを向けた。


「私は弁護士です」桐山は名刺を差し出した。


「な、何ィ…❓❓ 弁護士……」

 親父は少し戸惑いをみせた。


「こちらは、当然ですがドライブレコーダー搭載ですよ。警察で録画を公開しても構いませんが……」

 さすがに弁護士だ。


 臆することなく強気に出た。明らかに横から飛び出して来たのだ。

 向こうに非がある。

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