第282話 義兄、シオン

「フフン…、随分、サッパリしたわねェ~」

 義姉が冷たい声で隣りの義兄に囁いた。

 聴こえるッて……

 耳は至って正常なんだ。


「姉さん! ヒドいですよ……

 せっかく綺麗なお顔が包帯だらけなんて…、もったいないですよ……」

 自称、ビジュアル系ミュージシャンの義兄、シオンがたしなめた。


「……」アタシは聴こえない振りをするしかない。

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