第278話 くおん

 アキラに促され、矢作は渋々、引き下がった。

 その後、夜になると見覚えのない美少年が現れた。


「お嬢様! 久遠くおん様が面会にいらっしゃいました!!」

 看護師が明るく紹介した。


『くおん…!? 誰だ…… 全く知らないヤツだ……』

 戦慄を覚えるような美少年だ。

 中学一年生くらいだろうか。一瞬、綺麗な女の子に思えた。


 金色に近い茶髪で、肌が抜けるように白い。

 いったい、この久遠くおんと言う美少年は誰なんだ。

 

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