ロバート空間4号
何もかも無くなった時代
ただ乾いた笑いに飢えていた
食卓の上には生きた蛙
猫を抱きながら、蛙を茹でる
どうせ死ぬのなら笑いが欲しい
時計は左回りが流行だ
自動車は凹ませるのがファッション
ダダはそこに生まれ
ダダはそこにある
反社会的などというレッテルは糞
生きのびたことへの讃歌
煙草に火をつけたら
それは花火だった
ここはパリ
日本のパリ
パリとは何かという問いなど許さない
意味を求めることは許可しない
そういう偶像が廃墟を作ったのだ
廃墟を飾ろう
廃墟を生きよう
生産システムに蓋をしよう
それよりも焼き菓子だ
どろどろしたコーヒーだ
聖地はゴミ焼却場
すべてを灰にしてしまえ
戦車も
軍服も
自動小銃も
汚い海で泳ごう
泳いでいるのは汚い体だ
砂浜には花柄のビニールシート
散乱する酒の瓶
ビルの鍵はどれも壊れている
お前の頭も壊れている
俺の頭も
7種類の薬を飲む男
映画にはならなかった
あのロバート劇場で
主役はロバート
ありふれた名前はありふれている
名前よりもあだ名が大切だ
名前は国家が独占する
味な男は魚を食べる
魚は鯵に限る
アジアジ
女は脱げ
裸になれ
ただし美しい女に限る
そして恥らえ
この世界に名誉などない
この世界に価値などない
あるのは純粋感情
そして純粋欲望
不自然な動物
ダダはただそこにある
ダダは今も生きている
不死
それがダダ
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