0〜2

1992年6月某日

僕は産まれた。

母親は帝王切開をしたらしい。

どうも、僕の状態が悪く少し早めの出産だったみたいだ。

母親や祖母から聞いた話だが、その時の僕は「仮死状態」だったらしい。

母親が「私は良いからこの子を助けて」と医師に言ったとも聞いた事がある。

まぁ、結果を言えばどちらも助かった。

父親は、消防士をしており出産には立ち会えなく祖父母からの電話で慌てて駆けつけたと聞いている。

タイトルの0〜2とは、0歳〜2歳までという意味なのだが僕達親子には最悪な日の連続だったらしい。


原因は良くある話。

父親の''酒癖''"ギャンブル""借金""DV"だ。

僕は1〜2歳だ。当然記憶もない。

だが家へ借金取りが来たり、母の髪の毛を引っ張り引きずり回したりと色々聞いた。

そんな事が続き、僕が2歳の時に別れたらしい。


僕の母親は凄く負けん気が強い。

何年か前に祖父母から聞いた話だが

ある日、父親が祖父母に「俺の借金を返してくれ」と頼みに来た事があったらしく

祖父母も娘の旦那だからと「60万円」用意して「チコ(母)すまんの。百姓はこの位しか用意が出来ん。」と言ったそう。


すると母親は「お金は要らないよ。ごめんね迷惑をかけて」と受け取らなかったそうだ。


その日ギャンブルから帰った父親は「金は?」と聞いたらしい。母親が「ないよ。」と言うと父親は僕に暴力を振るい出したらしい。

その音と母親の泣き声を聞いた隣の住人が慌てて家の中に入ってきて父親を止め、祖父母や叔父さん叔母さんを呼び、その日を境に実家に戻ったらしい。


未だに祖父母は泣きながらあの時の話をする。

「あの時、もう少しでもお金用意出来てたら

何か変わったかのう?すまんの。じぃちゃんとばぁちゃん何も出来んで。」


次へ続く。


※次から、母親→おかん。に変わります。

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言葉が足りない。 @ze7arp777

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