つなぐ
たんじぇんと
春
芝の上に寝転がる。上には満開の桜が見える。心地よいそよ風が流れる。太陽は暖かい。いかにも春、という感じだ。
蝶がひらひらさせながら飛んでいる。あの日も、こういう日だった。
のどかな田園風景が広がる。バッタや蝶を捕まえて、カゴに入れる。ある日は、田んぼに行って、おたまじゃくしやドジョウを捕まえる。
ザリガニを捕まえた。家に帰り、水槽に移す。よく見ると、子供がいる。うじゃうじゃいる。やがてうまれた、多くの命。でも、そのほとんどは大きくならなかった。
そういえば、我が家では金魚やメダカを飼っていた。金魚は、祭りですくった。メダカは、買った。ある時メダカが卵を産んだ。しかし、孵らなかった。メダカの生態を調べた。今度産まれたら、絶対に孵化させる、と。
しかし、次の産卵は来なかった。
いのちとは、いかに尊いものなのか。
そよ風が、頬の上を流れる。目を開けると、満開の桜から、花びらが舞っている。昔から、潔い象徴とされてきた。
幼い頃と、景色は変わった。あの頃の田園は、もう無い。それでも、確実に生きている。あの日の風景を、僕は忘れない。
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