第202話 効率的に生きる方法は死ぬこと

 今、『タイパ』と呼ばれる人たちが増えているという。


 映画やテレビドラマなどを早回しで見たり、あらかじめ、あらすじなどを知る人たちのことだそうだ。


 私は映画を観る前に、その作品のパンフレットを買うが中身は読まない。


 理由は単に並ぶのが嫌で「先に買ったら売り切れもないし楽に帰宅できるから」といったものだ。


 

 かの名喜劇役者・チャップリンの映画で機械文明に対する皮肉を込めた作品がある。(黄金狂時代だったかな?)


 機械を操っている自分がいつの間にか機械に自分を操られている。


 そこにあるのは『効率化』である。



 現在においても『タイパ』『効率化』が善とされる時代である。


 そして、それは俗に主人公のチート(無敵)化になり、今より「努力」や「頑張り」が報われない時代も早々ない。


 テンプレートもその一つだ。


――極力無駄な努力をしないで再生数を伸ばそう。


 はっきり書こう。


 無駄じゃない努力なんてない。


 成功百パーセントの努力なんてものがあったら、それこそ、ご教授願いたい。


 では、成功者とそうではない者の違うは何か?


 数か?


 寝る間も惜しんで無理することか?


 違う。


 楽しむことだ。


 その一つ一つが『自分』という土台を作る。


『自分』を『自信』と言ってもいいだろう。


 これがないと、読者がすぐ見抜いて飽きられる。


 実際、何かが流行るとそればかりになるのが、その証左だ。


 だから、かつての文豪たちは未来の作家に言っている。


「その道を楽しみなさい」

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