第193話 PTSD(心理的外傷)の話をしよう
今回の話は、私の底にある病気の話だ。
PTSD、日本名「心理的外傷」というのは命に関わる恐怖体験を何度も繰り返し思い出して現実と過去の区別がつかなくるなる脳の障害だ。
元々は文字や言葉を持たない原人だった祖先が危険な場所や動物を記憶するためのものだったが、今や記録媒体が発達した今においては厄介である。
初めて、今の担当医師に言われたことは「隅田さんは頭がいいです。特に言葉の部分では群を抜いています。でも、それは嫌な言葉や場面を焼き付けることになる……残念ですが、今の医療では治りません」
実は最近、何とも言えない不快感に襲われている。
例えば、車の運転中やスーパーの買い物時に教師や同級生、親に言われた心なき言葉を思い出す。
――だったら、小説を書いて発散しなよ
――運動で汗を流せば忘れるよ
そんな根性論や精神論で治るのならば、ずっと昔に治っている。
――話してごらん。その
一度根付いた人間不信は簡単には解けないし、同じことを言って逃げた人間をたくさん見てきた。
心に沢山の棘が生え、自分ですら修復できない。
薬を飲み寝る。
それぐらいしか、今のところ手立てはない。
そこで二つの選択肢が出てくる。
・復讐
・自殺
この二つ。
虐めた本人たちは忘れているだろうがやられた側は自分の明るい将来や未来を失ってでも復讐したいと願う。
歴史を見てもイスラエル問題などを見れば、人の持つ恨みの強さが時に人々を動かして子供や女性も巻き込んで大規模テロなどを起こす。
ある動画で虐めで片腕を無くして義手にした男が相手の結婚式のスピーチ(友人代表)で虐めていた相手(=新郎)の悪行と自分がされてきたことを暴露し、めでたい結婚式を滅茶滅茶にして裁判沙汰を起こす。
新郎側(=虐めていた側)からすれば人生で一度だけの晴れ舞台を滅茶滅茶にされ新婦側からは婚約破棄され、会社などにも伝わり(半ば強制的な)自主退職になり、裁判沙汰にもなった。
いくら謝罪しても男側は徹底抗戦の構えだ。
『自業自得』と言えば、それで済むけど、この動画を見て私は何とも言えないモヤモヤを抱えた。
復讐したい気持ちはわかる。
私の場合、相手が大切にしている者を狙う。
例えば、早く結婚して子供も早く結婚したら、孫がいるだろう。
その孫の頬や額に剃刀で一本だけ傷をつける。
痕になるぐらいの傷だ。
それを見て絶望する相手を見たいと願う。
しかし、我らの世代は実に疎遠で『同窓会』なんて幻だ。
会わなければ意味はない。
何より、メンドクサイのが私は嫌なのだ。
今更、ぎゃーすか言われたくもないし、今の職場は好きだし辞める気もない。
何より心の傷をえぐる奴に会わなければいいだけの話だ。
確かに、先ほど書いた義手の男性は被害者で人生を滅茶滅茶にされただろう。
私は全てではないけど苦しんだことはある。
今現在虐められている人間には辛い言葉かもしれないが、そんなことをしても誰も得をしない。
マイケル・ムーア監督の『ボーリング・フォー・コロンバイン』であるアニメ監督は「自分の州には銃を持つことを禁止している法律がある。だから、俺はアニメで復讐をしている」と述べている。
もう一つは、是非とも『心と体の健康センター』に問い合わせてほしい。
元々は精神病を公で検査して認めてくれる場所なのだが、これで精神病判定が出れば自体は少しはましになるかもしれない。
復讐を完遂できたとしても、一生遊んで暮らせる金が手に入ったとしても、復讐はあなたを幸せにはさせてくれない。
では、もう一つの自殺は完全にできると思うのなら「どうぞ、ご自由に」と思うが、はっきり言って自殺が成功する確率なんて相当低い。
だから、ニュースになる。
逆に言えば、骨折や火傷、脳挫傷による植物人間状態になる可能性が高い。
仮に軽傷で済んでも周りがあれこれ言う。
この日本という国は実に変な国で加害者側のほうが正しいと思う傾向がある。
余談にはなるが、世の中に明確な『善』と『悪』は存在しない。
ある作家曰く「その間に曖昧なものがある。一概に決めれば味っ気のない世界になる」
では、どうすれば、いいか?
先ほどの復讐で述べたように公的機関や病院での援助を求めるのも手だ。
でも、「もう、死ぬしかない!」と思ったら是非、試して欲しいことがある。
あなたの中の「いい子」を殺せ。
あなたは、いい子だ。
いくら殴っても物を目の前で壊されても誰にもSOSを出さず、耐えに耐えてきた。
でも、あなたの救援信号さえわからない大人に都合のいい子でいる必要はない。
暴れたかったら暴れろ。
殴れ。
殺す勢いでもので頭部を叩くのもいい。
集まってきたら自分の胸の想いを全部空っぽになるまで叫べ。
泣きたきゃ泣け。
すんすん泣くんじゃなくて大きな声で泣け。
そして、無能な教師や馬鹿な同級生を糾弾しろ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます