第115話 「落とす」話(ラノベの話)

 コーヒーをろ過することを「落とす」という人がいる。

 それが元か、それとも転じられたのか、物事を理解したり馴染ませることを「落とす」という人もいる。


 で、何でこんな話を書くかというと「何で、私はほぼラノベが好きじゃないんだろう?」という疑問に行きついたから。

 小説自体、読み物自体は好きだ。

「お前らのような文章マニアのせいで小説がつまらなくなった」という意見を聞くが私は温故知新型で古い読み物とか結構好きだ。

 別に今の小説家などを否定をしようとも思っていない。

 ただ、私には馴染まない。


 そして、気が付く。

 キーワードは漫画・アニメ。


 そう、察しのいい方なら分かるだろう。

 今の小説、ラノベは特に、漫画やアニメになりやすい。

 言い方を変えるならばこの手の作品の作者の念頭には最初から漫画・アニメありきなのだ。

 だからこそ、冒頭が話の途中からとか媚びた女が出てくるのだ。

 これこそ、アニメや漫画の定番だからだ。


 予防線的なことだが、アニメ・漫画、ゲームなどを私は否定しない。

 むしろ、いろいろ遊んだクチだ。

 だからこそ、そこから本当に学ぶべきを学び作品に生かして欲しい。

 だが、そういう作品は広大な砂漠で針を探すのに等しい。


 長年、小説を書いているから断言するが、実はアニメや漫画と小説は全く異なる娯楽作品エンターテイメントだ。

 アニメや漫画、近年ではYouTubeが顕著、などは目で見る娯楽だ。

 いうなら、ある程度形が決められている。

 だからこそ、ラノベなどは登場人物の設定をいちいち細かく説明するのだ。

 対して小説は想像する娯楽だ。

 先ほどとは違い、よほど指定されない限り自由にできる。

 それは、ときに作者の想像するら超えることがある。


 私が危惧しているのは、後者の作品が少なくなっているということ。

 まあ、難しい話です。

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