第107話 一意専心
私が好きな逸話でこんな話がある。
江戸時代。
ある村に僧侶がいた。
大変達筆な人で文字が書けない、分からない村人のために陳情などの書類は一切を書いていた。
村人は僧侶に大層感謝していた。
だが、僧侶はこう愚痴った。
「自分は修業がしたいんだ。字が上手いからってのも考えものだな」
今、専門職は廃れつつある。
かつての職人のように何かに一芸秀でているより
芸能人が偉そうに政治を語り、政治家はタレントのような活動をし、作家や声優がドラマで演技をする。
誰しもTwitterやFacebookをしユーチューバーになる。
私もSNSはするし、YouTubeで勉強することもある。
ただ、何か物足りない。
私の好きな俳優(声優)は世でいう「いぶし銀」な人が多い。
では、その人たちの演技は渋いだけかと言えば、そんなことは無い。
例えば、谷昌樹さんと言う俳優がいる。
渋い声の人で、拙作『WONDERFUL WONDER WORLD』に登場したポー・ストークスマンは谷さんの声を当て書きした。
(妄想ともいう)
アニメやゲームでも活躍されているが、吹替も多く演じている。
個人的に『代表作』と言えるのはXbox360の名作『ヘイロー』の初代マスターチーフであり『第三次スーパーロボット大戦α』のチーフだろう。
では、渋いだけかと言うと、そんなことは無い。
この人、直接お会いしたことは無いが、ハイテンションになると中々面白い。
『なんでもカーグランプリ』という内容が今あなたの考えた通りのミニ番組のナレーションをしているのだが妙にテンションが高く妙に私のツボに入る。
(興味があればYouTubeにあるので見ることをお勧めする)
しかし、改めて思うことは、そこに確かな「演技力」があることだ。
谷さんがアニメなどに登場したのは二十年前だが、その前は舞台で活躍されていた。
この人は歌わない、ライブもしない、ユーチューバーでもない。
Twitterは時々見ているらしい。
私はそんな谷さんが大好きだ。
自分が多弁だから言うが、本当に実力のある人は多くは語らない。
『作品』で語る。
『背中』と言っていい。
綺麗なことも、汚いことも、嬉しいことも、悲しいことも言葉では語らない。
自分の『作品』を通して語る。
余計なわき目はない。
その真面目さに惚れる。
最後に。
『なんでもカーグランプリ風』に。
「谷さーん、見てますかぁ‼ 以前、ファンレターを送りつけ、Twitterでハビバーした根岸何某ですぅ! ここでは諸事情あって隅田と名乗っております! 群馬に来たら一報を頂けるといろいろご案内しますぅ! 燃える達磨とか狂気の達磨シリーズ、ワインがワインになる前のジュースとか色々ありますよぉ! リクエストにも応じます!」
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