第14話 理解はいらない、対処を知ってくれ

 発達障害(自閉症スペクトラム)でテレビなどで言われる台詞。

「理解しましょう」


 当事者として本音を書く。

 理解なんていらない。

 そもそも、理解することが差別解消にはならない。

 実際問題、世の中はSNSなどインターネットなどの発達で「理解できる」世界なのに差別は相変わらずある。

 性別から学歴、宗教、食べ物の好みに至るまで差別は蔓延している。


 差別を推奨するわけではないが、差別は優遇と紙一重だ。

 例え、自分が差別と思わないさりげない仕草や言動が『差別』とされる世界に私たちは生きている。

 SNS、特にTwitterなどは今や身近な連絡手段になっているが一歩間違えればスクリーンショットに撮影され『動かぬ証拠』として全世界に暴言などが拡散する。

 いくらアカウント事消滅しても、わずかな証拠であっという間に身元や本名が白日の下にさらされる。

 このようなことは人類史上初めてだろう。


 さて、本題に戻ろう。

 私(少なくとも私の知っている障碍者)は差別を受け入れる覚悟をしている。

 ただ、私たちが困ったときに、ほんの少し手助けをしてくれるとありがたいし、そうしてもらえるとパニックを緩和することができる。

 いくら理解しても、ただ「かわいそうね」で終わるより、「よく知らないけど、こうするとこいつは楽になる」という対処法を知ってほしい。


 同時にこれは障碍者たちが周りに対してちゃんと障害を理解し、周りに伝える努力をしなければならないことを意味する。

 ただ、「差別」「差別」というのではなく、「自分にはこういうことが苦手でこうなった時はこうしてほしい」という明確な意思表示をしなければならない。


 もちろん、障害を言わない『クローズ』の存在も認める。

 ただ、クローズは障害を言わないために健常者と同じ水準を求められる。

 ストレスなどを適切に処理して社会で活躍する人もいるだろう。

 でも、私が見てきた多くの発達障害者(自閉症スペクトラム)は社会の重圧に押しつぶされた人たちだ。


 最後に。

 政府や企業は海外に「安い人材」を求めるのではなく、福利厚生や障碍者などに対する助成金を増やし日本国内にいる「人材」の発掘をしてほしい。

 昨今の人材不足は元を問い詰めれば、政府や企業が本気で「人材育成」をしないで「使い捨て」にしてきただと考えている。

 同じことを今度は外国人労働者にやろうというわけである。

 ただし、外国人労働者は日本人のような従順な人間ばかりではない。

 むしろ、主張する人たちであり、下手をすれば日本の障碍者以上に差別にうるさい。

 

 不気味と思われてもしょうがない。

 気持ち悪い存在だろう。

 好かれる要素なんて私にはないことを自身が知っている。

 でも、生きなければならない。

 だから、私は差別は受ける。

 生きることを許してほしい。

 できれば、人と楽しく生きたい。

 それが私の望み。

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