永久の花
月浦賞人
プロローグ
私のクラスには
髪は長く艶やかで、身長は平均よりも少し高い。スタイルが良く、肌も白くて綺麗だった。
物腰が柔らかく、洗練されているけれど、畏まった印象は受けない。その容姿と所作から教室の中では浮いていたけれど、決して悪目立ちするということは無かった。
彼女と話す女子は皆笑顔だったし、男子もその美貌に緊張することなく、気さくに話していた。
このクラスにはヒエラルキーみたいなものがない。考えすぎかもしれないけれど、それは彼女の目を汚すことを皆が避けた結果なような気もしている。
彼女が男子生徒から告白されたという話も聞いたことが無い。でもそれは女性的魅力が欠けていると言うわけではないようで、代わりに男性の教師達はそろって意識している様子が見て取れた。そのことは噂としても流れてしまっているけれど、生徒の誰もがそれを自然なこととして受け入れていた。多分先生たちの間でも、問題になってはいなかった。
北溟和はそう言う人物。関わる人皆に静かな影響を与える、不思議な魅力を持つ女の子だった。
そんな彼女が、私は少し気になる。ちゃんと話したことはまだなかった。
話してみたらどんな感じなんだろう?
帰りのホームルーム前、机に頬を押し付け、斜め後ろで教科書を鞄に入れている彼女を見ながら、私はそんなことを思った。
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