くだらないスキル持ちの俺が、結局チートになる
瀬川
華々しく異世界転移?
最近はやりの、異世界に転生したり転移したりする物語。
俺もその内の、何作品かは読んだことがある。
だからといって、まさか自分の身に起きるとは思わなかったが。
トラックにぶつかられる人は、悲しいことにたくさんいるだろう。だけどそのせいで、別の世界に飛ぶなんて人は、そうそういない。
俺だって死を覚悟したのに、次の瞬間には森の中にいたんだ。初めは訳が分からなかったし、天国は緑がいっぱいなんだと現実逃避もした。
だけど数時間も経てば、適応力の高い俺はここが異世界だと理解してしまった。
まあ、森の中でモンスターにあってしまったのだから、嫌でも分かるってもんだ。
目の前に立ち塞がったスライムは、とても可愛かった。
水色じゃなく透明だったけど、震えている感じが守ってあげたくなる。
俺は警戒心を解いて、スライムの方に手を伸ばした。
その手はまとわりつかれて、まるで握手をしているみたいだ。
感覚はぷにぷにとグミみたいで気持ちいいし、俺に懐いているようで嬉しい。
こんな可愛い生物がいるなんて、ここは俺のいた世界ではないのは確かだ。よくある異世界で、ファンタジー要素の多いものなんだろう。
ということは……チートスキルを使える可能性がある!
それは本当に、テンションが上がる。
俺はこれから起こるだろう、ハーレムや俺TUEEEE系の展開を期待して、意気揚々と森の中を歩いた。
もちろん、腕に絡まったスライムも一緒にだ。
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