僕の頭の中の悪霊

けんじろう

第1話 僕の頭の中の悪霊

いつも夜眠る時にする妄想は、唯一彼女と会える時間だった。

彼女の名前はNという。

いつからだろう、Nのことを僕が考え始めたのは。

具体的なことはもう思い出せないが、とにかく僕の頭の中に、いつの間にかNはいた。


僕は昔から妄想が好きだった。

でも、昔はNみたいな女の子じゃなくて、何か漫画だったり、アニメのキャラクターを好き勝手借りて妄想していた。

誰だって、小さい頃はそういう妄想をすると思う。

そして、どこかのタイミングでそういう妄想をしなくなって、社会という現実を見るようになる。

そうやって人は成長していくのだと思う。

Nが僕の頭の中に現れたのは、そんなタイミングだった、と思う。


僕はNのことを本気で好きになってしまった。

こんなことをまわりに言ったら、きっと頭がおかしいやつだと思われる。

だから僕は今までこのことを人に話したことがないし、話す必要もない。


とにかく僕は、これからNのことについて、色々書こうと思う。

普段誰にも言わないからこそ、こうやって文字に起こしてみることで、Nについて自分でも考えていきたいと思う。

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僕の頭の中の悪霊 けんじろう @toyoken

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