小休符 Sweets home without sweets.
グレーテル「今宵のボクは脚本での登場さぁ。作者がお忙しいようで書けなかったんだってさ。まぁまぁ、大変なこった。大人って嘘をつくんだ。さてさて、それは置いておいてさ。物語を整理したかったんだ。ボクの名前はグレーテル。グレーテルとヘンゼルのグレーテルさ。なんでヘンゼルじゃないんだって?ボクはちゃんとグレーテルなんだよ。兄さんはヘンゼルであり、グレーテルではない。ボクもヘンゼルではないのさ。……あぁ、性別が違うって? それを聞くのかい?まぁ、難しいことはないさ。ボクはちゃんと」
カボチャちゃん「ちょっと、私の名前が『カボチャちゃん』になってるんだけど」
グレーテル「何か不満かい? カボチャちゃん」
カボチャちゃん「不満も不満……これで嬉しい人がいるの?」
グレーテル「いるかもしれないさ。ボクもちゃんと付いてないからね」
カボチャちゃん「……男にしか見えないのに?」
グレーテル「カボチャちゃん、どこを見てるんだい。ボクはね、そういうところでしか女と男を判別できない子は嫌いだよ」
カボチャちゃん「あらそう、失礼。けれど、貴方の年齢も私は分からないのよ」
グレーテル「まぁまぁ。ボクは性別不詳年齢不詳のグレーテル。魔女殺しのグレーテルさぁ。あいにくさま、この屋敷はお菓子の家ではないのさ」
カボチャちゃん「おかしの、おの字もないわね」
グレーテル「あはっ、そうさぁ。でもね、ボクにとってはこの屋敷はたくさんの餌をばら撒いてくれるのさ。……食べても食べきれない、餌が自然と集まるのさ。そしてそれにつられてやってくる」
カボチャちゃん「……? どういうこと」
グレーテル「まだ知らなくて良いさ。たっぷりとね、分からせてあげよう。ボクがグレーテルと呼ばれる所以を。ボクがグレーテルたる理由を。……君が餌なのか獲物なのか、どちらなのかを」
グレーテル「それがボクの『お菓子の家』」
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