虚ろに淘汰。

今際ヨモ

#00 虚ろに問うた。

 暗がりが僕らを見ていた。

 そうして、僕らに問いかけた。


 “お前は何になりたい?”


 【虚ろ】は抜け殻に宿るのだと。【虚蝉】となれど、僕らは答えを見つけられるか?

 心臓が、この痛みに張り裂けそうな程に、誰かに問うた。


「僕らは、答えを見つけられるか?」


 答えのない問いを誰が見つけてくれるというの。

 カプカプと笑う海月が、波間に消えた。


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