第7話 『思いやり』
やましんA:『君、少し、このごろ、ずばずばものを、言い過ぎじゃないでしょうか。退職して身軽になったとはいえ、ひとみな、それぞれの立場というものがあり、それぞれの役割というものがあります。言いたくても言えない事や、言ったらオシマイな場合も、あるだろうしね。』
やましんB:『きみ、あまりに言わな過ぎて、結局、甘く見られたんじゃないの?』
やましんA:『主張するなら、自分がきちんとできる事だけにすべきですよ。自分ができないことは、やっぱ出来ない。その、自分が出来ないような事をもって、他人を批判するのは、よくないです。』
やましんB:『それが、上司というものだろ。総理大臣だって、なんでもできる訳じゃない。それ言ってたら、なんにもできないだろ。自分が出来ない事でも、棚に上げるべきことは、しらっとして上げて、上手に部下を生かさないと、仕事になんかならないさ。』
やましんA:『そりゃあ、そもそも、潔くない。美しくない。ほんとに出来る人だから、上司になってるんだし、よい数字を出せない、まったくできない人だから、やましんは昇進もしなかった。実に合理的じゃん。それをもって、あまり人を悪く言うのは正しくないよ。それに、思いやりというものもあるでしょ。まあ、確かに、いくらか出来が悪いのに、なぜか偉くなった上司さんも、中にはいたような気も少しはしないこともないような気はしないこともないような気がしないこともないような気もするけれど、それでも、その上の人からは、すっごく好かれていたことも事実で、それはそれなりの実力ですよね。あまり、仲良くはしなかったけどな。ま、思いやりが大切なんです。』
やましんB:『きみ、結構、皮肉きついな・・・。当時も、思いやり、全然なかったよな。あれじゃ、絶対、出世できない。最初の受けはいつも良いが、結局ダメになる。いつもそうだろ? 反省がない。進歩しない。』
やましんA:『あれ、なんか話がこじれてるな。まあ、どっちも、結局のところ出来が悪い、できそこない人間だった、という事ですなあ。ははははは。みな、それで納得できると言うものです。丸く収まるのですよ。めでたしめでたし。』
やましんB:『そこで、まとめないでほしい。ぼくにも、多少は、思いやりを持ってくれよな。いずれ、きみんとこに、化けて出るぞ。』
やましんA:『?』
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