9話 ルーチェの役割
ルーチェとアヴィスが現場に到着したとき、辺りは大混乱だった。赤い大きなドラゴンが手当たり次第に攻撃を仕掛けていた。ルーチェはアヴィスに鋭く言った。
「アヴィスくんは生徒たちの誘導をお願い! 私は私の役割を全うする!」
彼女はそういうが早いが、講師陣に通信機で指示を出す。
「防護壁、展開します! 講師の皆さんは生徒を誘導しながら近くまで来て下さい」
講師陣は、生徒たちと共にルーチェの近くに集まる。ドラゴンがルーチェたちに向かって炎を吐く。ルーチェは唱えた。
「偉大なる白魔術師の
するとルーチェの杖から透明の大きな蕾が表れた。そしてそれが花開き大きな透明な壁となる。それは炎をはじき、ドラゴンに跳ね返す。ドラゴンは咆哮をあげ、一度彼女たちから距離をとった。ルーチェはそれを見て後ろを振り返らずに言う。
「今のうちに講師の皆さんは生徒の避難誘導を!」
いくつもの足音が遠ざかるのを聞き、退避の時間を稼げたことをルーチェは感じた。懐から魔力貯金箱を取り出し、中身を確認する。
「うーん、使えてあと一回ってとこか」
ため息をつきながら迫るドラゴンを見る。彼女の得意魔術は、回復魔法と防御魔法、強化魔法で攻撃魔法はからっきしであった。
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