僕が30で人生を終える理由

@ouka_0708

第1話 始

あぁどうせ歩くのなら白百合の様に純白な人生が良かった


平成のある年ぼくは産まれた。家庭としては剣道の師範の厳格な父と元お嬢さまの母二つ上の姉一般家庭とは少し特殊な家族だと昔から思ってはいたけど内ゲバはもっと特殊だと思う。宗教一家なのです、しかもかなり熱狂的な。父は組織のお偉いさんで母は下っ端でぼくと姉は二世として生まれた時から信者の一員らしい、ここまでは変わってはいるけども平和であれば問題はない、異常はこれからだ。


父は元から怒りやすい性格で昔から母に暴行を加えていた、これは四歳の頃には見慣れた物になったがその頃ぼく達にも被害が及んだ。これは一部だが少しでも我が儘を言えば洋服の首根っこを掴まれ玄関から外に投げ捨てられた事はしょっちゅうで最初は泣き叫んで母に救いを求めた。結果的に母が後々助けた分父が暴行している現場を見てしまい我が儘で投げ捨てられても母を思い感情を押し殺しひたすら時間が経つのを待っていました。


こんな事が多い毎日でぼくは幼稚園児で嘘をつき父の機嫌を直していました。駆けっこで三番なのに嘘をつき一番になりました。自分が一番頭が良く運動が出来るように嘘をつき立派な子供を口と表情で演じました。今思えばこんな餓鬼が存在していたと思うと身の毛がよだちます。幼稚園でも先生や友達に嘘をつき人気者になりましたが心からの友達と言いますか、親友というものは出来ませんでした。

卒園式は家族は来ないで母の知り合いの方が来てくれましたがぼくは微かに期待していました、母と父が迎えきて嘘ばかりつかなくて良いんだよと素直になりなさいと叱ってくれる事を願っていました。ですが叶わずこの日から全ては壊れていきます。

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