悪落ち 腐っても鯛

翌日ゲームにインしたところ空は燃えるような赤色に染まり木の陰はどこまでも長くなり、やがて闇に溶け込むようなそんな時が流れていた。

 

「さてどうしたものか…」

 

 いろいろ考えたが勝手にここを離れると怖いのでとりあえずボスのとこに行くに報告しに重々しい扉の前に立ち……


「すみません、ボスに会いたいんですが」

 

戦闘員NPC 

「今の時間はボスに会うことは出来ない」

 

「留守とかです?」

 

戦闘員 NPC

「ボスに会えるのは夜だけだ」

 

 そういって帰されてしまったのでとりあえずやる事もないので怪人や戦闘員の会合室に行くと……

 

戦闘員NPC達

「おう!期待の新人」

「これから頼むぜ」


お!なんと歓迎されてる感じで強面思いきや実は優しい番長タイプ…… 

 

戦闘員NPC達

「うっせー!これは俺のだ!」

「知るか!」

「うるせ!表に出ろ」

 

 前言撤回!やはり怖いです、そんな怒号は飛び火してなんだか喧嘩になりそうな雰囲気に……

 

アクア

「主どうしましょう」

 

アクアさんも扉の前で右往左往しながら混乱し始めた。

 

すると

 

???

「止めな!」

 

 声のする方をみると……

小さな桶に入った鯛?に黒い帽子にサングラスとハマキを加えた色の茶色の生物がいた

 

「すいやせん!鯛の姉御」

 

 え?

 

鯛の姉御

「新人が驚いているだろう」

 

 いや、驚いているのは貴方にですが…

 

「すまんね、若いもんは血の気あり過ぎて」

 

 そういうとサングラスを外しこちらを見る

鮮度の悪い目だ、腐ってんじゃないのだろうか?


鯛の姉御

「おや?お前さん良い目をしている」

 

 そう言った瞬間周りがざわつく!そして今までの怒号を上げていたのが嘘のように蟻の会話の様な小さな声で……

 

 おい!姉御が人を褒めたぞ

 ありえん!

 あの新人何者だ

 

 ざわつく戦闘員!そんな中現れたのが、

 

ボス

「何かあったのか」

 

ボスの登場で蟻の会話すらなくなり静かになった部屋に低い声が響く、

 

鯛の姉御

「おや?今日は早いのね」

 

ボス

「ああ、騒がしかったからな」


鯛の姉御

「新人が来たからみんな少し浮ついていたのよ」


ボス

「なるほど、そう言えばダイン達は私のところに来たようだが」

 

 ボスが俺たちを見るとなぜか背筋がピンっと!木で突き刺さったかと思うくらい伸びて直立不動の状態になった。

 

「あ、いや 外の様子が見たかったので外にでる許可を…」

 

ボス

「なるほど、夜であれば私が同行できるが…流石にこれからそれは不便だな…」

 

「あの〜俺たちもそんな弱くないので付き添いなくても…」

 

ボス

「いや、それでは私のメンツに関わる!そういえばお主テイマーであったな」


「はい」

 

 嫌な予感

 

ボス

「では、私の幹部をテイムし昼などはその者を警護に着けさせよう」

 

 いやー!ごつい怪人系なんて目立つし、テイムってことは今後ずっと一緒だろうし…

 確かに強いけど悪属性は今後のこと考えると

 

ボス

「さあ、だれがいい?タイガーハルバート参謀とかオススメだ」

 

 ムキムキのいかにも悪です的な目の傷と牙の虎男がニカッと笑って俺を見ている…

ちょっと遠慮したい…

 

 俺が頭を抱えいると

 

鯛の姉御

「私がその役目やろうかしら」

 

 鯛キター

 

俺は真っ白になった……

 

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