第54話 星野源

 ご無沙汰です。

 頻繁に更新します、と宣言して、全然疎かになっておりました。執筆中だった小説『鎮めよ!』が完結致しましたので、こっちも書きます。

 最近は小説の執筆で全然CDを聴いてなかったんじゃないの、と言われると、むしろメチャメチャ聴いていました。新譜も色々買ってましたし、むかし聴いてたものを掘り起こしてまた聴いて、の連続。書きたいの、いっぱいあります。



 最近、配信シングルで出た『異世界混合大舞踏会 (feat. おばけ)』、いいっすね。映画『ゴーストブック おばけずかん』の主題歌で、その映画に妻のガッキーも出てるとなると、尚更注目度が高まります。


 正直に言いますと、このところちょっとだけ「星野源離れ」をしてたんですねぇ。これ、自称音楽好きの人にはあるあるなんだと思いますけど、『逃げ恥』から『恋』がヒットして、なんとなく売れてしまって僕の手から離れていってしまった......と嫉妬なのかなんなのかわからない感情で聴くのをやめてしまうという。なんとも身勝手な言い訳です。『逃げ恥』はもちろん全部見ましたけど、CDを買うところまでいかなくなってしまった。CD買ってなくてもテレビや色んなお店で流れてるし、なんか買わなくてもいいかなー、となってしまった。


 星野源さんというと、初めは俳優さんの方で気になった人です。一時、大人計画にハマり、宮藤官九郎さんを経て、荒川良々という男が気になり始め、『星野源』という男に辿り着いた。『タイガー&ドラゴン』で出てたのは見たけど、宮藤官九郎のエッセイか何かで大人計画の舞台の話が出てたのを読んで、なんか気になる。大人計画は松尾スズキさんを筆頭に阿部サダヲさんや皆川猿時さん、今やドラマに引っ張りだこの近藤公園さんなんか、魅力的でヤバい人たちが多くて、実際に舞台を見に行けないからそういう記事で見に行った気になるだけですけど。


 この星野源という人は、何かしらの役が裸だったり、童貞の薬だったりと、まあ気になる役どころばかりでした。この人はなんだろう、と調べているとどうやらこの人はバンドマンらしい、と。SAKEROCKというインストバンドらしい、と。なんでバンドマンが、舞台で素っ裸の役ばかりやっているのだろう、と。

 はっきりとは覚えてませんが、なんとなく気になったくらいで、また時間が経ちます。


 星野源さんを『星野源』と認識して好きになったのは、ドラマ『11人もいる!』で見たのが最初。脚本がクドカンだし、皆川猿時出てるし。星野源は主人公の父、田辺誠一さんが演ずる真田実の弟のヒロユキ。真田広之さんと同姓同名なところとか、ピンポイントでオチのように使われている。この劇中歌の『♪そ〜れが〜、家族なんですぅ〜』という歌が、いったい誰が歌ってるんだって気になって。毎回、話に合わせてちょっとずつ歌詞が違う。これを歌ってるのが星野源だということがわかって、この人歌もうたうんだ、と。


 早速僕の行動はCD屋さんへ。

 星野源のアルバムを2枚みつけたけど(この時点では実際は3枚のアルバムをリリースしてましたが、この時は『エピソード』が店頭にはなかった)、ジャケットの裏側の収録曲もを見てもそれらしい曲はない。2枚は買えないから、仕方なくジャケットがカッコいい方の『Stranger』を買ってみる。山下達郎のライドオンタイムを彷彿させるジャケット。

 たまたまYouTubeで『夢の外へ』の動画を見つける。なんか、いいな。アルバムを聴いてみる。1曲目の『化物』を聴いた。なんか、いいな。続いて後日、SAKEROCKのベストを買った。マリンバ、凄えな。


 いまいちよく覚えてないのが、この星野源という男。いつの間にか聴くようになってたんです。いきなり日常的に聴くようになってた。知ったきっかけと最初に買ったアルバムは無理やり思い出しましたが、なぜかはっきり覚えていない。そんなに20年も30年も前のことじゃないのに。

 大半の人は『逃げ恥』から『恋』を聴いてファンになった人が多いと思いますが、それ以前に聴いていたという人は大抵同じ感想だと思います。


「いきなり日常的に入り込んできた男・星野源」


 それからはエッセイを読んだり、車で聴いたり。4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』がリリースされると、ほぼ毎日聴いてましたね。


 エッセイを読んでいたら、星野源が夜中に突然肛門の辺りが痛くなることを『モニカ病』と呼んでいるという内容。

「あるある!」と、このくだらない内容に心踊ってしまった。これはラジオで言ってたらしいのですが、あまりの激痛に悶絶して歩き回るしかなく、体をクネクネしながら動き回る姿がモニカを歌う吉川晃司から命名したそうで。多分、このネーミングセンスに心を掴まれてしまったんだと思います。ちなみにネットで調べてみると正式名称は『突発性肛門痛』というらしいです。

 話が面白い上に、楽曲センスも独特で、もう鷲掴みですね。歌詞も一見まともに見えるが、かなり巫山戯ている。それはセンスなのか、照れ隠しなのか。

 特に好きな曲が『YELLOW DANCER』に収録されている『桜の森』。歌詞全編に下ネタが入っている。これはアルバムの解説でも、態とそうしていると語っている。その下ネタを割と優しい声で、ややポップに歌っているのが、褒めちぎりますがこの人の才能だと思ってます。

 その他『Crazy Crazy』も、あえて発音が合ってないけど「クレイ』と歌っているそうです。


 この人の曲、ポップであればあるほど裏がありそうで、ちょっとダークな部分も隠し持っているように感じます。細野晴臣氏とマイケルジャクソンが好き、と言われると、たしかに、と思ってしまうのは僕だけじゃないはず。


 そのセンスの塊みたいな人が、『恋』みたいな曲がヒットしてしまうことに、お前はどこから目線だ、と言われてしまうだろうが、なんとなく寂しい気がしてしまった。もちろん「恋』はいい曲だし、時々鼻歌で歌ってしまうのですが、失礼を承知で言うと「売れ線」と思ってしまったのも僕だけじゃないはず。もしかしたら本人も、ここまでヒットするとは思ってなかったんじゃないか。

 これは『恋』にも他の曲のような裏があって、ダークな部分と純粋な部分が入り混じってたりして、それを照れ隠しで隠されてるのだとしたら、読みが浅い自分が悪いです。


 そんな中で、子供が見ていたYouTubeかTikTokかわからないけど、漏れて聞こえた星野源の『異世界混合大舞踏会 』の声に、久々素直に、「やっぱ、星野源いいなぁ」と思った次第であります。


 やっぱり素直になって『POP VIRUS』買おうかな。

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