陰で微笑む第四派閥

「うふふっ、皆様派手に争っておりますわね」


 議会より離れた場所で、蒼い髪の女性がワイングラスを傾けながら、モニターを眺める。


「お二方もいかがでしょうか?」

「いいですわね、いただきますわ」

「こちらのワインは、どのような味なのでしょうか」


 銀髪の女性、そして銀髪の女性もまた、ワイングラスにワインを注いで傾け始める。


「私の根回しのお陰で、ララ様派閥だけは結成されなかったのですわね」

「感謝いたしますわ、ヴァイスシルト殿下」

「うふふっ。お陰で、わたくし達は存分に、大叔母様を愛でられますわ。ええ、大叔母様への罵詈雑言を聞かずに済んで、本当に良かったですわぁ❤」

「「うふふふふふふ」」


 部屋には、アルマ帝国第四皇女ララ・アルマ・バーンスタインの肖像画がでかでかと飾られていた。



 三人の姫様が、ワイングラスを片手に妖しく微笑んでいた。

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