本編
第1章:少年暗殺者の異世界転移
プロローグ:少年暗殺者は女神に拉致られる
20xx/05/17/:○○国の○※▽大統領が何者かによって殺される。
会食の際食べ物を口にした途端苦しみ出したので毒殺かと捜査が進んだが当人が食べていた食べ物にも腹の中にも毒のカスすら無かったという。
20xx/07/11:○○国の混乱が収まりつつある時、また、今度は△△国の※※首相が同様の手口らしき殺され方をしたという。
20xx/12/24:▼※国のとある地域のクリスマスツリーオブジェの前にて〇▼大統領とその夫人の死体が発見された。死因は心臓のど真ん中へのナイフ刺さりと毒殺ではないようだがここ数年続く国の代表者の死に全く関与していないとは思えないとして先の事件と合わせて捜査が進められているが、相変わらず手掛かりは全く見つからず。
こうして、証拠の1つも掴めないまま、10数年。
未だ重要人物の殺人が増加している。
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やっほー、俺、『高林徹』!
高校2年生だぞっ☆
...いや、俺今何やってたんだろ本読んで落ち着いた方がいいかなこれ。
俺はこれでも裏では暗殺者やってるんだよ。
例えば上に書かれていた連続殺人なんてのも俺の功績の一つだ。
ナイフ殺人は失敗例だけどな。幸運にも大量に仕掛けた罠にかからなかった獲物は俺のナイフで死ぬことになるのさ。クリスマスツリーに夫婦でってのは俺の粋な計らいだ。
昨日も罠にかからなかった獲物に直接手を下した。
いつ見ても権力に溺れた奴の血と悲鳴は汚くてならん。
返り血が心にまでベットリ付きそうな程だ。
そんな俺の汚された心をきれいにしてくれるのが本だ。
このわくわく感が嫌なこと全部忘れさせてくれる。
本を与えてくれた紙には感謝だよ。
そんなことを考えつつも今日も俺は本を
「おい、本読むぐらい暇ならちょいとパシってくれねぇか?」
なんでやねん。嫌に決まってんだろ。
ていうかなんでカースト最下位に降りかかるような言葉が俺に降ってくるんだよ。
俺はカースト最下位になった記憶はないぞ?
寧ろ上位に入れるぐらいには上に立ってる奴らに威圧してやってたはずなんだがなぁ?
そうか。中くらいの平凡な奴らは威圧してないから静かな俺を底辺だと勘違いしちゃったのか。
てか威圧しなくても少しくらい実力を読み取れないものなのか?
仕事の時は実力をやれる限り隠蔽するが平常時は割と漏れてると思うんだが...
そんな感じの複雑な表情をしていた俺を見てそいつは余計訳分からんことを言う。
「本読んでるぐらい暇ならいいじゃんかよ、別に奢れとは言ってねぇんだし。」
は?俺の心を唯一満たしてくれる読書という素晴らしい文化を暇の証とするのかお前は。
とか思ってたらついにこいつは完全に俺をキレさせにかかった。本を取りあげてきたのだ。
そもそも取り上げられるほど油断していたことにも俺としてはかなり絶望だが…取り上げるのか…取り上げちまうのか…お前。
よーしやってらんねぇ。
潰そう。
「おら、読んでねぇで金渡すからとっとと行けや」
知るか。
そう思いつつそっと本を回収する。
難なく成功。
多少の摩擦は発生するはずなのに気づかないとか鈍感過ぎて笑えるわ。
「おいお前いい加減に…は?なんでしれっと本俺から取り返してんだ???…ふーん、そこまでして読みたい本なのか?ならバラバラにしてでもパシらせてやろうじゃねぇか?」
うわぁ。禁句量産機だこいつ。てかこんな長時間絡む暇あったら自分で行けよ。
とりあえず今読んでる本をバラバラにされたら我慢できずにささっとアイツをバラバラにしちまうよ…。
なんだその厨二妄想はって?
あれだけの暗殺ができて表だった殺人ができないなんてわけないだろう?
同業者に狙われても返り討ちにするぐらいの自信はあるぜwwwwww
おい誰だ今イキ●トって言った奴表出ろ。
さて、そんなことは置いといてだ、この後アイツどうなると思う?
え?バラバラに?いやぁ、本はまだ無事だからそこまではしませんよぉ。
ちょいと地獄は見てもらうけど☆
知ってる?俺のやる毒殺は食事に混ぜ込むのが基本だと思ってるだろ?
それ以外にもいろいろな手があるのさ。
ここら辺は企業秘密だね☆
「さぁて俺様に本を差し出しな。バラバラn...うぐぐぐぐ」
うん。計画通り!
あいつはトイレへ一直線!
そう。毒は流石に撒かなかったけど下剤撒いてやった☆
え?科学的にそんな下剤飲んだら即死?
それはまぁ高林家と僕の技術力でちょいちょいっと...ね?
変なうめき声がこの教室まで聞こえ始めたけど…まぁいいや。
こうして俺の学校生活は…始まらなかった。
いきなり視界が光に包まれた。
何この光眩しい目くらまし対策の訓練あんだけしたのに眩しいって何?どゆこと?
爆弾でも降ってきた???
光が収まる。
なんか白い部屋に居るみたいなんだけど。
ワープってやつ?いやいや、いくら高林家でもそんな技術は...
そして目の前には男絶対釣りますぜと言わんばかりのボンキュッボンスタイルの若い女性が1人。
ちなみに残念ながら俺はまな板の方が…いや、何でもない。
「おーい見える〜?」
嫌でも見えるわ
「え〜、嫌でもは余分じゃなーい?」
心読む系女子ですかそうですか。
「さてと、君はどうしてここにいるでしょう?」
「いや、知るわけ無いでs
「そうだね!異世界転生俺TUEEEEの為だよね!」
「は?????」
ごめん、訳わかんない。
「...説明を求む」
「その言葉を待っていた!そう!君は異世界で無双する権利を手に入れたのです!」
「え」
「ほらぁ、あなたも読書好きなら少しは知ってるでしょう?異世界転生からの俺TUEEEEな小説を!」
「たしかに知らないといえば嘘になるが…頭大丈夫か?」
「大丈夫だったらあなた呼んでないから。私さ、地球世界の魂の異世界移動を担当してるけどさ、最近暇じゃん?ここ数年神のミスでの死が全然ないし。だから無理やり呼んだのっ!」
「いや、ミスの死がそんなにあったら困るんだけど!?暇で(平和で)何よりでしょう!」
「でもつまんないことに変わりないも~ん」
「それに私の暇つぶしという理由も確かにあるけどちょっと他にも色々理由はあって...ねっ☆」
「含みあり過ぎて怖いんですが」
「いやぁ、あなたが今から手に入れるチートスキルで今から行く異世界かき乱してくれればなんら問題ないよ?とりあえず転送先の異世界の総括神に会いに行きましょう☆そこで転送の準備を行うわ」
異世界行きは確定ですか。はぁ。
「地球世界の輪廻からここへ引っ張り上げちゃった以上今更地球世界への輪廻には戻れないし、どちらにせよ異世界行きの運命よ?諦めなさい☆」
えぇ、笑顔で何言ってるんですかこの女神...。
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