ゴーギのお願い

「ネス様。ミアです。起きてください。」




「まだちょっとー」




「ネス様にお客が来ております。」




「誰?」




「ゴーギという男性が来ております。」




「今行く。待ってるように言って」




「かしこまりました。」




ゴーギか。あれからオセロ広めてくれたかなー


それにしても何の用だろ?




俺は着替えて、玄関の方に向かった。玄関でゴーギが仁王立ちをしながら待っていた。その隣に俺と同じくらいの男の子がいた。




「おー!ネス!久しぶりだな!」




「いや昨日会ったでしょ。それよりどうしたの?」




「そうだよ!今日は、ネスにうちの息子エイクと友達になってほしくてな」




隣の子、息子なんだ。顔が全然似てないな。顔がイケメンだし。




「よろしく。」




「ダリア=ゴーギの息子のダリア=エイクです!よろしく!」




おお。元気がいいな。




「実はな、エイクは6歳になったら王都にある魔法学園に行かせようと思うんだ。だから魔法が上手なネスに教えてもらおうと思ってな。」




「なんだ。そっちが目的なんじゃん。」




俺がゴーギを睨むと




「いやいや友達になってもらいたいのは本当だ。ていうかどうせネスは推薦枠で魔法学園行くんだろ?」




「推薦枠なにそれ?」




「あれ?聞いてないのか?」




「聞いてない」




「それは僕が説明するよ」




父さんが後ろから出てきた。




「おお!グレン久しぶりだな!」




「グレン様こんにちは。」




「久しぶりだねゴーギ。そちらの子は?」




「息子のエイクだ!6歳になったら魔法学園に入らせようと思う。」




「こんにちは。エイク君。」




エイクは何故か恥ずかしそうにぺこりとお辞儀した。




「父さん、続き。」




「うん。わかってる。説明しようか。魔法学園に入るための手段は2つあって、そのうちの1つがさっきゴーギが言っていた推薦枠。これは冒険者ランクが金以上の人に推薦してもらわないといけない。」




「グレンはステイシア国の唯一のランク金の上の白金なんだぜ!」




「ゴーギ説明中。」




「ああ。すまんすまん。」




「父さん冒険者ランクってなに?」




「それは僕も知らないです。」




「ネスもエイクも冒険者ランクを知らないんだね。それも説明してあげよう。」




「冒険者ギルドは知ってるだろう?」




それは本で見た。たしか、魔物討伐やダンジョン調査の依頼を冒険者ギルドが受けて、それを冒険者達に受けさせる。いわゆる依頼人と冒険者の中継地点としての役割ということだな。




「その冒険者ギルドで依頼のレベルを分けるために作られたのが冒険者ランク。」




いきなり難しい依頼を受けさせられて死ぬのもやだだからね。と笑ってる。




「冒険者ってのは皆カードを持っているんだが、それの色が白、銅、銀、金、白金に分けられていて。それの色で依頼のレベルを分けている。」




銅・・・レベル1、2モンスター




銀・・・レベル3、4、5モンスター




金・・・レベル6、7、8モンスター




白金・・・9、10モンスター




「ちなみにネスがこの前倒したワイバーンはレベル7モンスターだよ。」




「はあ!?グ、グレン・・・ネスがいくら魔法が上手でもあのワイバーンを倒させたのか!?」




「うん。ネスは詠唱破棄を持ってたからね。」




「あーなるほど。それは倒せるわ。」




え?なに?詠唱破棄スキル持ってたらそんな扱いになるの?




「ネスーお前ー詠唱破棄使えたのかー。辛かったよなー。」




「どうやらネスは独学で詠唱破棄を、とったらしいんだ。」




「はあ!?もういい。もう頭痛い。」




どうやら詠唱破棄をとるにはそれなりの苦労が必要らしい。まあ俺は楽に出来たけどね。




「父さん。続き。」




「あーごめんごめん。話がずれた。」




「推薦枠についてはわかりました。あともう1つの魔法学園に入るために手段とはなんですか?グレン様」




「うん。あともう1つの手段は通称「一般枠」といわれている。一般試験は誰でも受けれるんだよ。そのかわりたくさんの人が受けるから、当然たくさん落ちる。一般試験についてはこのくらいかな。」




一般試験の説明はや!推薦枠の話あんなに長かったのに。




「で、僕は推薦枠と一般枠をどっちを受けるの?」




「そりゃあ一般枠だよ。」




「もったいねーなー。折角ランクが白金のグレンの息子なのによー。」




「ゴーギ、僕はネスに「冒険者ランク白金のグレンの息子」として行ってもらうんじゃなくて、ネスとして行ってもらうんだ。そんな簡単には僕の名前は使わない。」




さすが父さん。息子のことを、よく考えてる!かっこいい!




「キョウもシュウも一般枠で入ったからね。ネスだけ特別扱いさせるわけにはいかないしね。」




あははー。ですよね。




「それよりネス、エイクに魔法を教えるのかい?」




「うん。断る理由もないしね。」




教えることで、もっと魔法について理解が深まることが出来るかもしれないからな。




「ありがとう!ネス!」




「じゃあ森に行って教えてあげるから今から行くか!」




「うん!いいよ!」




「こっちついてきて!」










――――――――――――




「あー行っちまったな。」




「いいのかい?ゴーギ。エイクには道具屋継がせるんじゃなかったのかい?」




「いいんだ。ネスを見て考えが変わった。それにエイクには魔法の才能がある。」




「それは楽しみだね。」




「じゃあ俺は仕事があるから村に戻るわ。」




「うん、がんばれよ。」




「じゃあな!」




そう言うとゴーギは走っていった。




「さて。僕は仕事に戻るかな。」






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