卵焼きの作り方

けしごム

たまごやき



「はい、今日もお願いします。」


わたしのお弁当の蓋に、未使用の箸でそっと卵焼きが乗せられる。

きれいな黄色の中にちょこちょこ混じる白。外側も焦げていなく、断面はつやつやで丁寧に巻かれた卵焼きがちょこんと座っている。

毎度のことながら、卵焼きを前にしてごくりと唾を飲む。

今日の卵焼きは、定番でシンプルで、それでいて卵焼きの王と言っても良いくらいに美味しい甘い卵焼きと言ったところだろうか。


「ありがとう。いただきます。」



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卵焼きの真ん中に箸をやり、そのまま下に少し力を入れて箸をおろして卵焼きを2つにする。

片方をそっと箸で持ち上げて、慎重に口へ運ぶ。

ぱくり。

1回でそのすべてを口に入れ、ゆっくりと咀嚼する。

ああ、今日もなんて美味しいんだろう!

甘すぎない、このふんわりとした優しい味といったら!

思わずまぶたを閉じてうっとりして卵焼きを味わい尽くす。


やっぱり卵焼きは私の1番好きな食べ物だ。

間違いなく堂々の1位である。

月曜日の次の日が火曜日であることくらいに確実だ。

最近はオムレツが勢力を増して来ているけれど、やはり1位は卵焼きだ!

それ以外なにがあると言うのだろう!

卵焼きこそが不動の1位だあああ!!!

他の何にも卵焼きは代えられない!!!

卵焼きはその地位を永遠に奪われないのだあああ!!!



ごっほん。

失礼いたしました。

私は鳥山とりやま 珠子たまこと申します、ごくごく普通の女子高生です。

普通じゃないことと言えば卵焼きの熱狂的なファンであることくらい。

1番好きな食べ物は卵焼き。

お誕生日に食べたい物も卵焼き。

最後の晩餐に食べたい物も卵焼き。

死後に供物として仏壇に供えてほしいものも卵焼き。

生まれ変わったら、卵焼き・・・じゃなくて人間になってまた卵焼きを食べたい。


ちなみに1番好きな卵焼きは甘い卵焼きですっ!

甘くないダシの卵焼きとかは中学生くらいから美味しいと思えるようになった!



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今の状況を説明するために、話は数ヶ月前にさかのぼる___。


2年生になってクラス替えがあって、だいぶクラスに慣れてきた9月頃。

・・・いえ、クラスに慣れてきたとは言いましても私には友達はいない。

なんというか、うーん、友達はいないと言うか、いつも一緒にいるような友達がいないと言いますか・・・。

クラスの女子とはどの子とも当たり障りのない会話をするけれど、特定の友達がいないという感じ。

まあ、理由はただ単に友達を作るのが面倒だから。

・・・女子高生にしては枯れてる。

というわけなので、必然的に移動教室とかお昼はひとりで黙々と食べているわけです。

そんな私はある日、お昼ご飯を食べているときにたまたま見てしまったんです。


木村くんが、なんだかコソコソしながらゴミ箱にぽいっと何かを捨てているのを。


木村くんというのは簡単に言えばクラスでの立ち位置は私みたいな感じ。

友達が少なくてひとりでいることが多い男の子。

目立つような特徴とかはない。多分。

頭も運動神経も顔も普通。

本当に、ふっつーの男子。

そういうわけで木村くんもまたひとりでお弁当を黙々と毎日食べているわけですが。


そのときは本当にたまたま木村くんの方を見ていたんですよ、私は。

まず、お弁当の蓋を木村くんが開けます。

礼儀正しく合掌をしてぶつぶつ何かを言います。(おそらく、いただきます)

多分ね、木村くんが今時の男子高校生にしては、というか高校生にしては珍しい、食前にいただきますを言うという礼儀正しさを発揮していなければ私はここで木村くんから目をそらしたと思う。

でもなんだかここで、おおっ!と思いそのままぼんやり眺めてたら、木村くんはお弁当の中の何かを箸で持って、口の真ん前に運んだかと思うとそこで数秒停止して、口に入れずにまたお弁当箱に戻し、ティッシュを取り出してその食べ物をくるんだ。

そしたら!

席を立ってそれを持ってゴミ箱まで歩いていき、少しきょろきょろと辺りを見回してからさっとそれをゴミ箱に捨てて席に戻って普通にお弁当を食べ始めた。


その、ゴミ箱に何かを捨てる様子がなんだか挙動不審だったの。

だから私は一気に興味を持った。


ただ単にその食べ物が木村くんの嫌いなものだったのかもしれないし、実は木村くんは悪魔に契約を迫られててその食べ物は悪魔の果実で危うく悪魔に負けそうになって口に入れようとしちゃったけど直前で自分を取り戻したのかもしれないし、もしくは昨日の夜に木村くんの家にでたゴキブリが誤って他の食べ物と一緒に揚げられてしまって、それに木村くんが直前に気づいたのかもしれない。


まあ理由はわからないのだけれど、とにかく木村くんのその少々奇怪な行動が気になり次の日のお昼ご飯の時間も木村くんをこっそり観察してみた。


そしたら、木村くんはそっくりそのまま同じことをしていたの!


【まず、お弁当の蓋を木村くんが開けます。

礼儀正しく合掌をしてぶつぶつ何かを言います。(おそらく、いただきます)

木村くんはお弁当の中の何かを箸で持って、口の真ん前に運んだかと思うとそこで数秒停止して、口に入れずにまたお弁当箱に戻し、ティッシュを取り出してその食べ物をくるんだ。

そしたら!

席を立ってそれを持ってゴミ箱まで歩いていき、少しきょろきょろと辺りを見回してからさっとそれをゴミ箱に捨てて席に戻って普通にお弁当を食べ始めた。】


それから毎日ひそかに木村くんを観察してわかったことは、

①毎日、その行動をしているわけではない。週に2回か3回。

②その食べ物を口の真ん前に運んで再びその食べ物をお弁当に戻すときに、悲しそうな顔をしている。ため息をついていることもある。



ということ。


なんだか異様に興味を持ってしまった私は、ある日、木村くんがティッシュでくるまれたものを持ってゴミ箱に向かっているとき、さっと席を立って木村くんより先にゴミ箱に到着し、木村くんへの接触をはかった。


今思えば、かなり積極的なことをしたな~という感じです。


「それ、どうしたの?」

ティッシュでくるまれたものを指さす。

「・・・え?」

不意を衝かれて明らかに動揺した木村くん。

ゴミ箱に何を捨てるのか聞く人なんて、まあいないしね。

びっくりするよね。

「だから、それ。見せてよ。」

私が少し詰め寄ると、木村くんが咄嗟に背中にその物を隠す。

なになに、そんなにやましい物なの?

「前にもたまたま見ちゃったんだよね。木村くんがなんかコソコソしてゴミ箱に捨てようとしてるの。」

木村くんの目が通常の1.5倍くらいになった。

ぐわわっと目が見開かれた。


ちなみにこれが、私と木村くんの初めての会話です、アハハ。

私もけっこう勇気あるな!!!


木村くんは黙ったまま目を泳がせている。

「ねえ、なにかやましいことでもあるの?」

木村くんがギクッとした。

なんかもう、まさにギクッて。

「誰にも言わないから見せてよ」

観念したのか、木村くんはおずおずと無言でそのティッシュにくるまれた物を私に渡した。

「ひっ」

ティッシュがなんだか湿っていて思わず声がでた。

なんか、べとっとしてる。

あれ、てかこれ、マジでヤバイものとかじゃないよね?ないよねええええ?

私が固まっているのを見て、私の恐怖を察したのか

「別に大したものじゃないよ」

木村くんが初めて声を発した。

じとっとした視線を送ると、

「ほんとだって!」

慌てたように手をバタバタしてわたわたした。

仕方がないからその言葉を信じて改めて目の前のブツを見た。

おそるおそるティッシュの上からちょんっと触る。

ティッシュは何重かに巻かれているようだった。

柔らかい。

ふにゃっとしている。

少し強めに触ると、指がブツを壊した。

「ぎゃあっ」

ブツが2つに割れたのか、ぐらぐらした。

生き物ではないことがとりあえずわかって、ええいっと勇気を出してティッシュを広げて私はやっとのことでブツと対面した。




「・・・たまごやき?」

あまりに意外で普通でありきたりで無害すぎるブツに拍子抜けして、へなへなとその場にへたりこみそうだった。

「うん。卵焼き。」

さも当然だというふうに木村くんが復唱する。

「ね、大したものじゃないでしょ。」

なんだか少し偉そうに私の掌に卵焼きが座っていて、そこから出ている平和オーラがハンパじゃなかった。

「ど、毒でも入ってるの?」

卵焼きを捨てる意味がわからない。

わからなさすぎる。

もし、卵焼きがそこまで嫌いなら親にお願いして卵焼きをお弁当にいれてもらわなきゃいいだろうし。

「まさか。普通の卵焼きだよ。普通の。

食べてみる?未使用の箸でちょっと触っただけだから汚くはないし。」

なんなんだろうか、この展開は。

まるでドッキリのタネ明かしをされたときのような気分。

平和すぎる今に正直ついていけてない。

だからだろうか。

「う、うん」

私はあろうことか、手でつかんでぱくっとその卵焼きを食べてしまったのだ。

「・・・お、おいひぃっ!!!」

そして、その卵焼きはとてつもなく美味しかった。悔しいことに、今まで食べた卵焼きで2番目に美味しかった。

・・・え?1番?そりゃあ、母親の卵焼きに決まっているじゃないかっ!!!

yeah,おふくろの味!!!


「えっ、本当?」

半信半疑、と言った感じで木村くんが私の顔を覗きこむ。

「うん、すっっっっごく美味しい!!!」

木村くんはぱああっと笑顔になって、

「良かったあああ。

あ、ねえ、それじゃあ、僕が卵焼きを持ってきたときは鳥山さん、食べてくれない?いやかな?」

自分の大好物の、最高に美味しいものを食べてしまった直後に、こんなお誘いを断れるわけがあろうか!いや、ないっっっ!!!

「い、いいいいいの?」

「鳥山さんが良ければ。

僕だって、誰かに食べてもらえる方が助かるし。」

「そ、そっか。じゃ、じゃあ私は代わりに何をお渡しすれば・・・?」

「え?お返し?そんなのいらないよ。食べてくれる人がいてすっごく助かるんだから。」

「へ、へえ、じゃ、じゃあお言葉に甘えて。」

このときの私は有頂天だった。

この卵焼きが1週間に何回かこれから食べられるなんて!

すばらしい!

マーベラス!!!


そしてルンルンで自分の席に私は帰った。

とても大事なこと―――「どうして卵焼き、捨ててるの?」―――を聞き忘れていることにも気付かずに。



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そして話は冒頭に戻る。


木村くんと初めて話した日、すなわち卵焼きの契約(?)をした日からはや数ヶ月。

相変わらず木村くんの卵焼きは美味しくて、いつもいつもほっぺたが落ちそう。

いつか本当に落ちちゃったらどうしよう、なんて本気で心配になることもたまにある。


木村くんは、私がなんとかしてお返しをしようとしても全く応じてくれない。

私が卵焼きを食べることで、木村くんが助かっているらしいからである。

結局、卵焼きを食べない理由はここまで聞けずにいる。


・・・あの、木村くんの、卵焼きを口の真ん前に運んで再びお弁当に戻すときの悲しそうな表情を思い出すとねえ。聞こうにも聞けない。


だからせめてもの気遣い、ではないけれど、いつも木村くんに、「木村くんが食べたくなったら食べてね?」とは言っている。

でも、木村くんが卵焼きを食べる気配はいっこうにない。うーむ。


それからもうひとつ約束がある。


「ごちそうさまでした。」

私はもごもごと口の中で呟いてお弁当の蓋を閉じて片付けて席を立つ。

目的地は3つ前の席の木村くんの席。


「今日もありがとう。

今日は、甘い卵焼きだったよ。いつも通り、すごく美味しかったです。」


「良かった。ありがとう。」


約束は、卵焼きの感想を木村くんに報告すること。

以前に、木村くんがお母さんに「今日の卵焼きどうだった?」と聞かれてなんとか切り抜けたものの、危なかったそうだ。

それがあって、毎回、感想を教えてほしいと頼まれたのだ。


卵焼きが大好きな私にとっては、お安いご用。

むむ、それにしても、お母さんがそんなことを聞くとはやはり、木村くんは卵焼きが嫌いではないということなのかなあ?

そんな会話のときに、お母さんにお願いしちゃえばいいのに。

卵焼きちょっと飽きちゃったな~、とか。

最近苦手になっちゃったんだよね~、とか。


むむむ、なぞだ。


でも、"卵焼き報告"をしたときに嬉しそうにする木村くんをみると、まあいっか~、となってしまうのだった。



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こんな風に奇妙だけれど平和なある日、事件は起こった。


このときはもう、三学期の期末テストがすぐそこに控えていてこの教室でお弁当を食べることもあと残りわずか、というときだった。


つまり、"卵焼き契約"から半年ほど経っていることになる。

これほどの時間がたてばまあ、私と木村くんの仲は多少は進展するわけで。

卵焼き以外のこともちょこちょこ話すようになった。


出身中学はどこかとか、とかいう些細なことから進路関係のちょっとディープな話まで。

・・・大事なことは、いまだに聞けていない。そもそも、卵焼きを捨てる理由が人に言えるようなものなら、とっくに私に言ってくれているだろうし。


1日に5分くらい言葉を交わすだけだけれど、塵も積もれば山となる、というように木村くんのことは結構知れた。

バドミントンを除いて運動が苦手なこと、数学が苦手で物理は好きだけど苦手なこと、かわいい動物が好きなこと、スターウォーズが好きなこと、海より山が好きなこと・・・などなど。


木村くんと話しているときは、すごく盛り上がるわけではないけれどゆったりした時間が心地いい。


というわけで、私は木村くんに絶賛片想い中だったり・・・。


話が脱線してしまった。

そうそう、事件のことね。


お昼休み、木村くんは私の席に来なかったから卵焼きは今日は入ってないんだなあとのほほんと思っていた。


そんなとき、

ガタン!

と衝撃音がして、クラスが波をうったように静まり返った。

そしてその次の瞬間、

キャー!!

女子が悲鳴をあげた。


「き、ききき、木村くんが、倒れてる!!!」


恐れおののいた顔で女子が指をさす方向を見ると、たしかに木村くんが仰向けで倒れていた。

その口には、卵焼きがくわえられていた。

右手には、箸。

卵焼きを食べようとして、あるいは食べている途中に倒れたんだと思う。

顔は、苦悶の表情と言ったような苦しそうな顔。眉間にシワを寄せて唇がきゅっと結ばれている。


それから先のことはよく覚えていない。


でも、帰りのホームルームで

「木村くんは疲労かなにかで倒れたようです。先ほど目を覚まし、家に帰りました。」

と先生が言っていて安心した。


とりあえず、良かった・・・。


しかし。

私は、疲労なんかじゃないと思った。

どうして、木村くんは卵焼きを食べようとしたんだろう?

いつもは私のところに持ってくるのに。

先生の口ぶりからして、木村くんは卵アレルギーということはなさそうだ。

では、なぜ卵焼きを食べない?

いや、きっと、食べないのではなく食べられないんだろう。

でもどうして、今日は食べようとしたの?

あんなに苦しそうな顔をしていたのはなぜ?


今まで木村くんに何も聞かなかったことを私は初めて、しかも猛烈に後悔した。



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というわけで私は、木村くんと最初に接触したとき以来初めて自分から行動を起こした。


木村くんの最寄り駅に来てみたのだ。

私の最寄り駅からそんなに遠くなかったし。

もしかしたら木村くんいるかも・・・と思って。 

まあ、人生そんなに甘くないですよねー・・・ってんん!?

ききき、木村くん!!!

ホームのベンチに座ってぼけっとしているというか虚空を見つめている男子高校生がいると思えば木村くんだっ!!!


トコトコ、ならぬドカドカと木村くんに近寄り、なんと言葉をかければいいものかわからないことに気づき、咄嗟にトントンと木村くんの肩を叩いた。


ビクッと肩を震わせて木村くんが振り返った。

私はギョッとして思わず後ずさりしそうになった。

だって、木村くんの顔がなんだか、死んでいたから。

目はどよんとしていて負のオーラがぷんぷんしている。

「ど、どうしたの?」

「鳥山さんこそどうしたの?」

不思議そうな顔をして首をかしげる。

それもそうだ。

木村くんは、私の最寄り駅がここではないことを知っているのだから。

「え、えっと、ですね、木村くんのことが心配になりまして・・・えへへ」

うまい言い訳を思い付けない自分を頭の中でぽかぽかとぶつ。

「えっ?ど、どうして僕のことなんか」

心底驚いたように言う木村くんに私の方が驚いた。なにも、そこまで驚かなくなって。

ていうかっ!!!なんかちょっとムカついた!!!

「僕のことなんかって、なに!?

いきなり倒れたら誰でも心配するよ!

それに!!!

木村くんは友達なんだからねっ!私は木村くんの友達だもん!!

友達のこと心配するなんて当たり前だし、

友達のことは頼らなきゃいけないんだよ!!!

私は木村くんの友達!!!だから木村くんは私を頼らなきゃいけないの!

わかった?」

私にゴミ箱の前でいきなり話しかけられたときよりも目を大きく丸くして木村くんは私を見た。

「ともだ、ち?」

「うん、友達!!」

「頼らなきゃ、いけない?」

「頼らなきゃいけない!!」

「もっと頼っても、いいの?」

「もっとって、なに。全然頼ってないじゃん!」

「卵焼き食べてもらってる。」

「あんなの頼るに入らない。」

「ありが、とう。」

今にも泣きそうな顔で私に頭を下げた。

だーかーらー、頭下げたりしなくていいんだってば。

目はうるうるして涙がたくさん溜まっていて、唇を強く噛んで泣くまいとしているようにみえる。

「じゃあ、僕の家、来てもらってもいい?」

「うん、いいよ。」



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木村くんの家のダイニングで私は少し緊張しながら座っていた。

目の前のキッチンでは木村くんがコーヒーを淹れてくれていた。

インスタントコーヒーではない。

ドリップしてくれている。なかなかオシャレだなあ。

コーヒー特有のほろ苦く香ばしい匂いが部屋中に広がり鼻腔をくすぐる。

うわあ、いいにおい~。

全然話は違うんだけどさ、コーヒーって、香りから想像する味と実際の味が全然違くない?初めてコーヒー飲んだとき、味が想像してたとのと違ってびっくりしたのを覚えてるんだけど。

「どうぞ。」

私がどうでもいいことを考えている間にコーヒーは出来上がっていたようでコトっとコーヒーカップが置かれた。

ゆらゆらとたちのぼる湯気。

「ありがとう。」

カップに口をつけて火傷しないようにゆっくりとカップを傾ける。

口一杯に香るコーヒー、コーヒー、コーヒー。

濃くてじんわりと舌に残る苦味がちょうど良い。

「すごく美味しい!」

「良かった。」

安心したように微笑んで、私の向かいの席に腰かける。

「あの、何から話せばいいんだろう。

できれば質問とかしてくれると助かります」

少し視線を落として木村くんがぽつりと呟くように言う。

「わ、わかった。

あ、でもね、話したくなければ無理に話さなくていいからね?」

「いや、話すよ。大丈夫。何でも聞いて」

「木村くんがそう言うなら。

じゃ、じゃあ卵焼きを捨てていた理由は?」




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「僕は、卵アレルギーでもなんでもなくて、卵焼きが食べられないのは精神的なものによるんだ。

今日も倒れたのは、そのせい。

卵焼きというものには僕の負のものすべてが詰め込まれていると言ってもいい。


そうだなあ、まず。

本当はもう僕には母さんはいない。

8年前に病気で死んでしまった。

母さんの料理で1番好きだったのが卵焼きだったのに、母さんが死んでからは卵焼きは母さんを思い出させる悲しいものになっちゃったんだ。

でもね、それだけじゃない。

これだけなら、食べられなくなったりなんかしないよ、さすがに。


小学生の時、僕はいじめられてたことがあった。

ものすごくひどいいじめではなかったけれどいじめはいじめだった。

女子も男子も関わっていた。

物を隠されたりコソコソ悪口を言われたりする程度だったけれど、じゅうぶん辛かった。

まあね、おどおどして言いたいこともはっきり言えない僕にみんな、イラつくところがあったんだと思う。

いじめられてた理由はそのへんにあるんじゃないかなあ。


それでね、ある日、その日は給食じゃなくて数少ないお弁当の日だったんだけど。

その頃はぎりぎり母さんが生きていて、もう少しで母さんが死ぬことは当時の僕にもわかっていたときだったんだ。

それで、僕のお弁当にはいっぱい卵焼きが入ってたんだ。

でも、、いじめっ子達が僕のお弁当の卵焼きを全部食べちゃったんだ。

それで挙げ句の果てに文句の言いたい放題。

結局、この日よりあとに母さんが卵焼きを作ってくれた日はなくてすぐに死んじゃったんだ。

正直、あのいじめっ子たちのことは今でも恨んでる。

この卵焼きが母さんの最期の卵焼きだったこともあるし、母さんの最初で最期のダシの卵焼きだったんだ。いつも母さんが作ってくれる卵焼きは砂糖だったんだけど、この日だけは違ったんだ。

あの日は多分、砂糖を切らしちゃってたんだとおもう。

だから、僕は結局、母さんのダシの卵焼きは食べずじまいになっちゃったんだ。


まだある。

中学生になって、僕はここに引っ越した。

前の家まではここから車で2時間弱で着いちゃうくらいだから、あんまり大きな引っ越しではなかったけれどいじめっ子達からは逃れられたんだ。

でもその頃ね、父さんがおかしくなってきた。

もともと家庭的な人ではなかったんだけど、うーん、言葉は悪いけどその頃から酒と女以外興味ないって感じになっちゃったんだ。

それでときどき女の人を家に連れてきたわけだけど、僕があるとき卵焼きをたまたま作っててそれを女の人が食べた。

食べてくださいと言ったわけではなくてあっちが勝手につまみ食いしたって感じだったと思う。

でもその人、

『まっずー』

って言って、口にいれたもの吐き出したんだよ。

それでその場にいた父さんに僕は殴られた。


それから。

今は父さんはお金だけ置いてどっか遊び回ってる。

すっごくたまーにここに帰ってくるけどね。

なんかもう、親子って感じじゃないよ。


あと、卵焼きの感想を教えて、って言ったときウソついてごめんね。

お弁当は毎日自分で作ってて、卵焼きも自分で作ってたから感想が知りたくて。


じゃあ最後に。

僕が卵焼きを食べられないのは、食べると、いろんなことがフラッシュバックするから。

優しかった母さんのこととか、いじめっ子のこととか僕が作った卵焼きを吐き出されたこととか父さんに殴られたこととか。

でも毎週のように作って学校に持っていくのは、今日こそは食べようと思うから。

僕が母さんの料理で1番好きだった卵焼きを、今日こそは食べようと思うから。

まあ成功したことないんだけどね。

というかそんなの家でやれよって話なんだけど。

家では卵焼きを捨てたくないっていうか、なんていうかね。

学校に持っていっちゃえば食べざるをえなくなって食べるかな、なんて思ってさ。

そんな僕の、利己的な考えのせいで僕たちのクラスのゴミ箱には人知れず卵焼きが溜まっていってたわけなんだけど。


鳥山さんが声をかけてくれて、食べてくれて美味しいって言ってくれて救われた気分だった。

本当に感謝してる。

でも、もう少しでクラス替えでしょ?

だから、自分で食べれるようになりたいって思って挑戦したけどダメだったしみんなに迷惑かけちゃったよ。


うーん、とりあえずはこんなところかな。」



後半の話は全然頭に入ってこなかった。


木村 たまき


きむら たまき。

ずっと、【かん】だと思っていた。

たまき、なんて読み方があるなんて知らなかった。

今考えれば、確かにそういう読み方はある。見たことがある。


きむらたまき。

きむらたまき。

こんのたまき。



たしか、

たしか、

たしか、

嘘だ、嘘だと言って。

嘘だと言って!

でも、亡くなったのはお母さんだから。

いや、とは言っても必ずしも___。

しかし、彼はきっと___。

こんなことって、あるの?



「あ、そうだ。

ねえ、鳥山さん。

いま、卵焼き作ってもいい?

今、鳥山さんと一緒なら卵焼きが食べられる気がするんだ、僕。

鳥山さんも食べるでしょ?

何がいいかな。

砂糖?ダシ?海苔が入ったやつ?それともごま油を少しいれたやつがいいかなあ。チーズを混ぜるのもいいけど・・・ってあれ?鳥山さん大丈夫?

僕の話が過激すぎたかな。

顔色悪いよ。ちょっと休む?

ごめんね、あんな話して。」


本当に心配そうに私を覗きこむ木村くんは、いや、


「今野くん。なんでしょ?

今野くん、なんだよね・・・?」


そうではないと言ってくれと願いながら声をしぼりだす。



「ああ、思い出しちゃったか。」


少し寂しそうに言う木村くんを見て、心の中に押し込んであった黒い重い気持ちが私の中に何年かぶりに出現した。

ああ、やっぱり。

今野くんなのか。


「なるべく思い出さないように話したつもりだったんだけど。

そうだよ、父さんが母さんの方に籍を入れててね。

母さんが亡くなってからは木村になったんだ。

でも鳥山さん。

いや、中野さん。って言った方が今はいいかな?

僕は君のこと、恨んでなんかないんだよ。

たしかに、あの日は君のことを恨んだ。でも、悪いのはいじめっ子達であって、君は自分の言いたいことを言っただけだ。

母さんの卵焼きを否定したワケじゃない。

ただ、甘いのが自分は好きだと言っただけでしょ?

それなのに君はあのあと何回も何回も謝ってきたし。

僕はね、誰かに話しかけてもらうときなんて全然なかったから、君が話しかけてくれて、なおかつ卵焼きが好きだと言ってくれたことがすごく嬉しかったんだよ。

だからね、あんまり思い出してほしくなかったんだ。」



木村くんが、小学2年生のときに同じクラスだった今野くんだなんて。

でも、そう思えば思うほど木村くんは今野くんに見えてくる。

ずっとしまっていた忘れたい記憶が頭の中によみがえる。

いじめを止められなかった自分への嫌悪感。自分のことを子供ながらに最低だと心の中で罵るも結局、私は何もできなかったのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ねーねー、今野くん!

卵焼き、いっぱいだねっ!

あたしね、卵焼き、だーいすきなんだ!」


「え、ほ、ほんと?

中野さんも、卵焼き好きなの?」


「うん!

ママが作ってくれる卵焼き、すーっごく美味しいんだよ!

でも今日のお弁当には入れてくれなかった。

朝は忙しいんだって。」


「じゃ、じゃあ。僕の卵焼き、1個食べる?こんなにあるし。」


「え、でも。」


「いいよ、食べてよ。」


「ほ、ほんとに!?

じゃ、じゃあ、あたしのおかずと交換にしようよ!」


「え、いいの?交換こしてくれるの?」


「うん、しようしよう!」


「・・・・・」


「・・・・・」


「・・・・・ど、どうかな?卵焼き」


「えっと、お、んんん、あんまり甘くなくてあんまり好きじゃない。だ、だって、甘いのがあたしはすきなんだ、もん。」


「やーい、今野じゃねーか、なんだなんだ、甘くない卵焼きぃ?へえー。

てか卵焼き多っ!

おい、おまえら、これ見ろよぉ。

甘くないらしいぜ、中野が言ってた!

よし、もーらいっ」


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私が中学生の頃に親が離婚して、私は中野から鳥山になった。

小学校2年生のときの、忌まわしき記憶。

いつのまに忘れてしまっていたんだろう。

私の発言のせいで、いじめっ子たちが木村くん、いや、当時は今野くんの卵焼きをひとつ残らず平らげて文句をつけまくったのだ。


今野くんは、そのときは顔を真っ赤にして泣くまいとしていたけれど、私が放課後に謝りに言ったときは号泣していた。





「ごめん、本当にごめん。

私のせいで、私のせいで!!

お母さんの最期の卵焼き食べられなかったんだよね。

それも、最初で最期のダシの卵焼きだったなんて!

本当にごめん。なんで今まで気付かなかったんだろう。

忘れちゃいけないことなのに、わたし、すっかり忘れてた。

すっかり忘れてわたし、わたし・・・、

結局、いじめもただ見てるだけで止められなかった。

卵焼きだって。

ごめんね、ごめんね、本当にごめんなさい。」


あの卵焼きが木村くんのお母さんの最期の卵焼きだなんて、知らなかった。

ましてや唯一のダシの卵焼きだったなんて。

ひどいことをしてしまったことはわかっていたけれど、まさかそんなに大事な卵焼きだったとは。

木村くんは、お母さんのダシ卵焼きの味を知ることができなかったんだ。

それに。

私があのとき言った言葉は本当は___。



「だからね、鳥山さん。

本当にね、僕は鳥山さんが悪いなんて全く思ってないんだ。

お願いだから謝らないで。

僕が作った卵焼きを美味しい美味しいって言ってくれたのも本当に嬉しいし。

僕だって最初は、鳥山さんが中野さんだと気づかなかった。

気付いたのは、鳥山さんに感想をおねがいし始めたときだよ。

だって小学校低学年のときなんて、出席簿とかひらがなで書いてあるもんね。

そりゃ気づかないよ。名字だってお互い変わったんだし。

本当に謝らないで。

僕はね、君には感謝しかないんだよ。

今日だって僕のことを心配してくれた。

友達だって言ってくれた。

頼っていいと言ってくれた。

本当に本当に嬉しいんだ。

ね、お願い。謝らないで。


それから、ずっと聞きたいことがあったんだけどね。

あの日、君が僕の母さんの卵焼きを食べたとき、本当に美味しくなかった?

___ああだから、謝らないでってば。

君、あのとき、一瞬だけどすっごく驚いたような顔して美味しいって思ってそうだったけど。

いじめっ子たちが近くにいたから、素直に美味しいって言えなかったのかなって。

僕の勘違いかなあ。

これがね、ずっと君に聞きたかったんだけど。」



「すごいなあ、木村くん。

そんなことまで気付いてたなんて。


理由は違うけど、本当は美味しいって思ったんだよ。木村くんの言う通りね。

甘くないダシの卵焼きはあのとき初めて食べたんだけど、すごく美味しかった。

でも、ウソをついた理由はいじめっ子がどうのこうのじゃなくてね、

悔しかったからなの。

自分のお母さんの卵焼きが世界で1番美味しいと思ってたのに、木村くんのお母さんの卵焼きの方が美味しかったから。

だからとっさに、ウソついちゃったんだ。

ごめん。本当にごめん。

すっごくすっごく美味しかった。

本当だよ。」


「・・・そうだったのかあ。

それは嬉しいな。

ねえ、じゃあさ、今でもその味、覚えてたりする?さすがにそれはないかなあ。」


「もちろん今でも覚えてるよ。

だってわたし、昔から卵焼き大好きだもん。

あのときの衝撃は一生忘れられない気がするんだ。」


「じゃあさ、そのときの卵焼き、僕に作ってよ。

母さんの最期の卵焼きを知ってるのは、鳥山さんだけでしょう?

__ああ、いじめっ子たちなんて、食べた次の瞬間には味なんて多分忘れちゃってたよ。


だから、食べたいなあ、僕。

母さんのダシ卵焼き、食べてみたいとずっと思ってたんだ。

鳥山さんの作る卵焼きでもあるし母さんの卵焼きでもあるなんて最高じゃないか。

まさに一石二鳥ならぬ一卵二鳥だ。


それで、この場で一緒に鳥山さんと卵焼きを食べる。

そうしたらきっと僕、これからずっと卵焼き食べられる気がするんだ。


ね?どうかな?


それでさ、たまにその卵焼きを一緒に作ってさ。

そうだ、お昼も一緒に食べようよ。

そうすればお昼も僕、君と一緒なら美味しく卵焼きを食べられると思うんだ。


あとね、もう気付いてるかもしれないけど、今言わないと僕はしばらく言えないだろうからこの際、勢いで言っちゃおうと思う。



僕、鳥山さんのことがすき。


すっごくすき。


なんだかもう、好きで好きで仕方がないんだ」



一瞬、脳がフリーズして思考が停止する。


う、うそ。

木村くんが、私を?


木村くんが私を、すき?


木村くんの、ちょっぴり照れくさそうな、でも真剣でまっすぐの眼差しに射ぬかれて心臓が早鐘をうつ。


大好きな人からの突然の告白。

いきなりすぎて混乱しているし嬉しすぎてどうにかなりそう。



「ほ、本当に言ってるの?


私も、木村くんがすきだよ。


・・・卵焼きよりも。


あっ、ご、ごめん、卵焼きと比べるのは良くないよね、ははは、、。」



つい口から飛び出た失言をすぐさま後悔する。

わわわ、緊張しすぎてどうしよう。

卵焼きが大好きだからって、さすがに今のはないだろ私!

私のばかあ!


でも、そんな私の焦りとは裏腹に木村くんの顔がぱああっと明るくなる。

初めて卵焼きを食べて私が美味しいと言ったときよりもぱああっと明るく。


「えっ卵焼きよりも?


それ、本当?」


真面目くさった顔で聞いてくるものだから逆にこちらが焦る。


「うん。


で、でも卵焼きと比べるのは良くなかったよね、

えっとつまり、すごく好きだよってこと、です・・・」


ちょっ、あわわわ、は、恥ずかしい・・・!


「卵焼きより好きなんて、

どうしよ、嬉しすぎる・・・」



ほんのり頬を赤く染めた木村くんが口元をおさえて私から目をそらす。

んんん、もしかしてにやにやしてるのかなあ。

卵焼きと比べるのは、意外にも良い効果を発揮したみたいだ。


「じゃ、じゃあ鳥山さん、

僕の彼女になってくれますか?」



かかか、彼女だなんて、ききき緊張する・・・!

もちろんyesだ。

でも。



「うん、なりたい!


でもちょっと待って。

今すぐじゃなくて、もう少ししてからがいいの。」


「えっ、なんで?


もしかして、今付き合ってる人がいる、とか?」


「まさかあ。


木村くんの彼女になるのは、私が卵焼きを作れるようになったらがいいの。

私は料理とか全然出来ないから今は卵焼きなんて作れないの。

だから、木村くんのお母さんの卵焼きを上手く作れるようになって、木村くんが美味しいと思ってくれてからがいい。」


「えー、僕は今すぐがいい。

ねえ、あした何があるかなんてわからないんだよ。

もしかしたら交通事故とかにあって、どっちかが死んじゃうかも。

だから今すぐがいい。

卵焼きなんていつか作ってくれればいいよ。

だめ?」


「・・・でも。

なんというか、私なりの償いというか。

ちゃんとケリをつけてからにしたいっていうか。」


「だから、さっきから何度も言ってるけど僕は君に謝ってほしいなんて思ってないんだってば。

そもそも鳥山さんは悪くないんだ。



あっ、いいこと思い付いた!

じゃあこうしようよ。

今、卵焼き一緒に練習しようよ。

何時間かやればできるようになるから。

僕が教えるし手伝うよ。ねっ?

そうしたら今日から付き合えるでしょ?」


「そんなにすぐに出来るようになるかなあ。

うーん、でも、やってみる!」


木村くんがにっこりしてくれたのを見て、私は椅子から立ち上がりキッチンにズカズカとはいっていった。


「よーし、頑張るぞーっ!

木村先生、さっそく教えてくださいっ!


卵焼きの作り方!」


腕捲りをして気合いをいれる。

私だって、はやく木村くんと付き合いたいに決まっている。

でも、私なりのやり方で過去にちゃんとケリをつけたいのだ。

あの卵焼きの味ならしっかり覚えている。

あとは卵焼きを作れるようになればいいだけだ!


木村くんは一瞬目を丸くして、

ふふっと笑った。


「ずいぶん気合いが入ってるねえ。


でも鳥山さん、今、卵の残りが少なくて卵焼きの練習できるほどは無いんだ。


だからまず、卵買いに行かないとね?」



・・・恥ずかしいいいいいいいいい!!!



            (おしまい)


 

おまけ。


「ねえ、好きな人の大切な味を私だけが知っているなんてちょっぴり嬉しいかも。

木村くんには申し訳ないことしたんだけど」


「ははっ、そう?

僕は好きな人が僕の大切な味を知っていることがすっごく嬉しいよ。


ってわわわっ、鳥山さん、卵焦げてる!

ちょっと貸して!


ねえやっぱり卵焼き作れるようにならなくても付き合おうよ・・・、

もう3時間経ってるし、卵焼きは難しいんだよ。

僕、はやく君と付き合いたいのに・・・」


「待って、頑張るから、頑張りますから!


わー、卵落とした!どうしよう!

キャーーー、卵の殻入っちゃった、

助けて木村くんーーーーー!」

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卵焼きの作り方 けしごム @eat

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