エンディングフェイズ:シーン6「夏の夕暮れ」

GM:雨が上がり、蒸した暑さに包まれた町。あなた方は踏切に差し掛かります。電車が来る気配はなく、聞こえてくるのはひぐらしの声ばかり。景色は夕暮れ。血のような夕焼け空が広がっています。

 あなたの意識はほとんど虚ろになっていました。体が熱い。血が沸騰しているかのようです。湧き上がる『衝動』が今にも爆発してしまいそうです。もう、抑えきれない――きっとあなたは、あと数分、ひょっとしたら数秒しか、人間でいられないでしょう。

朧:「.......霞、ひとりで行けるか?」

雲仙霞:「お兄ちゃん……?」

朧:「お兄ちゃん、ちょっと用事を思い出したんだ......」自分の腕を強く握りしめながら絞り出すような声で言います

雲仙霞:「用事……? どうしたの、もうすぐ、街の外だよ……? あと少しで助かるよ、頑張ろう? ……一緒に、生きよう?」

朧:「大丈夫。すぐ追いつくから....」もう足が前に進まないです(踏切の手間かな?)

GM:手前ですね

朧:オッケーです!

GM:じゃあそうだなぁ、多分朧さんは立ち止まる感じなんですかね?

朧:ですね。もう前に進めないかと思います

GM:かしこまです! では、霞さんは数歩先に行ってしまっていたのを、朧さんのところに戻るよう引き返してきますね

 そして、その時です。霞さんの身体から力が抜けて、あなたに倒れ掛かりました。

朧:急いで抱えます「霞っ! どうした? 足怪我したのか?」

GM:はい、ではですね、朧さんが霞さんを抱き留めた瞬間──乾いた銃声が響いて――あなたの視界は赤く染まります。

 斃れ伏す刹那、あなたが見たのは彼方から銃を向けた『人間』。化物ではありません。撃たれたのは……あなたです、朧さん。

 一撃、一撃でしたが、急所を撃たれ、もう、何もできません。

 メタ的なお話で申し訳ありませんが、ここで、死亡となります。

 最後に、少しだけ、今際の際で何を思いますか?

朧:そうですね、

 「霞に当たってたらどうするんだ...あぁ、自分がまだ人間でいる時に殺されて良かった......。どうか、あの子には手厚い保護を、あの子の、光を失った世界に誰かが火をともしてくれることを...」という感じですかね

GM:ありがとうございます 最高です

朧:やったね!

GM:ごめんね朧さん……

朧:いえいえw元々こうなるって分かってましたから

GM:そうですね、最初から分かってましたね……あーーーーーーー でもかなしい

朧:悲しい

GM:さて、もう少しだけ描写があります。

???:「目標の沈黙を確認」

GM:と、銃を担いだ人間が呟きました。

???:「一般人の確保に向かう」

GM:別の人間が飛び出し、霞さんの無事を確認して抱え上げます。

???:「よかった……この人はジャーム化していない」

GM:そのまま、霞さんは人間に抱えられて、安全な場所へと運ばれていきました。

 あとに残されたのは黄昏色の町の中、ひぐらしの声に包まれて、静かに倒れ伏したあなたの骸のみ……。


GM:貴方はもう助からない。それでも、歪んだ腕で、歪んだ心で。護れたものが、そこにいたから。

 ――貴方の心が死にきる前に。

 ダブルクロス The 3rd Edition『入道雲の空の下』これにて、終幕でございます。

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