居場所
手紙を読んでから
さくらは外に出るようになった。
僕の気持ちに応えようとしてくれている。
一周忌が終わる頃にはすっかり元気になっていた。
子供達も大きくなった。
テンはもう小学生だ。
リツくんは相変わらず家族を支えてくれている。
毎日通って、週末は一緒に出掛けたりもしてくれる。一緒に住めばいいのにと思うけど、僕の家には住めないらしい。
男って、そういうとこナイーブだよね。
近所に引っ越してくれたらしい。
ほんとに頭が下がります。
会社は思った通り
佐藤と山田くんがうまくやってくれて業績は伸びている。
山田くんは、彼女と結婚した。
素敵な結婚式だったよ。
僕も連れて行ってもらったんだ。
リツくんが遺影を持って行こうと言ってくれた。
おかげで僕も家族と一緒に出席できた。
何度も言うけどさすがは僕が見込んだ男だ。
そんなことだから、子供達はみんな僕を忘れず、父親として彼らの心の中に居場所がある。そして、さくらの中にもちゃんと居場所を作ってくれている。
リツくんがピンチの時には
なんとしても救わなくちゃね。
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