27:文芸部らしいトークを開始していたのですよね。

 夏休みくらいからは、ぽそぽそとお互いの好きなものの話とかをするようになりました。文芸部らしい話題で、ですね。



 後輩くんが好きな本は? と聞くと、椎名誠しいなまことや、あと川上稔かわかみみのる(作家名として書いてるので、敬称略です)でした。川上稔といえば、あれです、電撃文庫の鈍器……いや違った……枕……いや違う違う、「終わりのクロニクル」シリーズや「境界線上のホライゾン」シリーズで有名な、内容ももちろんだとは思うのですけど、とても分厚い作品をたくさんの巻数出されていることでも有名な作家さんです。


 後輩くんはなんとその時点でほとんどすべてを読破してました。

 私も電撃文庫の棚であの分厚さは知ってたので、あれぜんぶ読んだの? と思うと、くらくらしました。


「なんで好きなの? あんなに長いシリーズを読み通せるってことは、もともと読書が好き?」と私が訊いたら、彼の答えは簡潔そのもの。



「中学生のとき唐突に小説を読みたくなって、どうせ読むなら長いのがいいと思って『都市シリーズ(川上稔の初期作品)』から順番にぜんぶ読破していきました」



 そんな理由を聞きまして。

 えっ、「どうせ読むなら長いのがいい」とかゆーて、しかもそのまま読んでそこまでハマっちゃうことなんてある? なんて思って目を白黒させてましたが。


 いま、同居してる私は知ってます。彼の本棚のど真ん中は真っ黄色なんだ。そう、川上稔作品によって……。なかなか壮観ですよ、アレ。

 あとこないだもDVD(ブルーレイ?)の特装版を頼んだからおまけの本棚に本が入れられると喜んでいました。組み立て式なんですと。めちゃくちゃ楽しそうに目ぇきらきらさせて語ってましたねえ……。

 私はよくは知らないのですが、若いころにはオンリーイベやオフ会も行ってみたようですし。

 あと、文体とかね、ものの独特の考えかたっていうんですかね、たしかに、ああ影響を受けているんだなあと感じますね。



 ちなみになのですが。彼氏はいまもときどき続きもののシリーズを買って、がっつり読んでます。「どうせ読むなら分厚く長いほうが」って性分はホンモノなんですな……キラリと光る性分……。

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