第20話「もうちょっとこうしてていい?」

俺は会計を済ませて、カフェから家まで猛ダッシュ中である。

桜は帰りが遅くなると他に好きな人がいると思われて色々問いただされてやばい。

ついでにサボりに対してはやたら厳しい。

江青は……親がマジでこえぇ…

一回家に行ったことがあったが、江青が殆ど虐められているようにしか見えなかった。怖い。


「ただいま!」


俺は桜に向かってそう叫ぶ。


「……おかえり」


あ、これおこだ。絶対おこだ。

家の中に入りリビングに行くと、いかにも不機嫌そうな桜がいた。


「えーと…ごめんなさい」


「……」


桜は一言も話さず、俺を睨みつけている。


「うん…ごめん」


謝ってばかりな俺。謝る度に桜の顔がより怖くなって見える。


「お兄ちゃん…」


「はい…」


「どうしてこんなに遅かったの?」


いきなり本題に入られる。


「そ、それは…」


「言い訳とかいらないから。本当のこと言って」


怖い。桜の顔を絵で表すならなんか…目の当たりまで真っ黒だな。うん…


「ごめん!今日実はサボってて!時間忘れて江青と駄弁ってました!本当にごめんなさい!」


「………」


桜様はおこのようです。

やっぱり嘘を言うべきだったか…


「……。サボっちゃダメって言ったよね?」


「はい…」


「なんでサボったの?」


「それは…」


「さっきも言ったけど言い訳とかいらないから」


「はい…俺は朝、江青と会って学校だるいからと言う理由で2人でサボろう!って話になりました…」


怖い。物凄く恐い。


「本当?」


「はい。嘘偽りはございません」


そう発した時…

桜がおれに抱きついてきた。

かなりきつく抱きしめている。


「っ!?」


「お兄ちゃん…その言葉、信じていいんだよね?」


「あ…ああ。いいぞ」


「じゃあこのままでいい?」


「な…なんで?」


「お兄ちゃんのことを信じたい…本当のことを話してくれて嬉しい。

普通ならはぐらかすよ?怒られるから」


「で、でも…本当かどうかわかんないだろ?」


「いいの。信じるから。それとも、あれは嘘なの?」


桜が顔を俯かせる。同時に、すすり泣く声が聞こえる。


「な、泣くな…本当だ。信じてくれ…」


「うん!」


桜の顔がパァッと明るくなりの可愛い笑顔をこちらに向けてくる。


「嘘泣きかい…」


「えへへ。もうちょっとこうしてていい?」


「お、おう」


軽いいちゃいちゃ会でした。


<hr>


やぁ…私です…今…あなたの…左耳に…直接…呼びかけています…どうか…私に…甘い飲み物を…そんなことより…次回は…もっと…いちゃいちゃ…するらしい…楽しみに…しててね…

誤字…脱字の…報告…お願い…します…

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