第10話遊園地…行きたかったです!

あれから罪悪感を感じた俺は、桜の部屋の前へ来ていた。

なぜかは言うまでもなく、謝るためである。


コンコン!


ドアをノックする。だが返事はない。


「桜?」


またしても反応はない。

さすがに不思議に思った俺は、ドアノブに手を置き、それを反時計回りに回す。

扉を開けた。そこにはすぅすぅと寝息を立てた桜がいた。


「ったく…」


今日は遊園地に行く予定だったはずなのだが…

まぁ、擬似デートしなくてよくなったので少し嬉しかったりもする。

それにしても桜の寝顔はとても可愛く、体も昔と比べたらメチャクチャ発達している。

べっ!別に胸とかそんな場所は見ていないんだからねっ!勘違いしないでよねっ!


「可愛い…」


可愛いのである。そう、可愛いのである…

もしかしたらこの時から桜のことが好きだったのかもしれない…


「取り敢えず、放っておこ。無理やり起こしても悪いしな…うん、置きて来たら謝ろう…」


俺はそう決めて、自分の部屋へ戻って行った。


<hr>


お昼頃、俺は桜の分も昼飯を作りながら、桜が起きてくるのを待っていた。

飯ができて、1人で寂しく食べていると、階段の方から足音が聞こえた。


「おはよ。お兄ちゃん!」


そうだった。こいつ寝たら全て忘れるタイプの人間だった。


「おはよ。いつまで寝てるんだよ…飯あるから、食べろよ」


「うん!ありがとう!」


「可愛い…」


「何?何か言ったぁ?」


「えっ!?な、何も言っていないぞ…大丈夫だ」


どうやら声に出てしまっていたらしい。危ない、聞かれるとこだった。


◆桜視点◆


本当は聞こえてました。

嬉しいです。ほんとうに嬉しいです。

大好きです!お兄ちゃん!

この気持ちが、いつ爆発するのかわからないので、私はいつもビクビクしている。

もし、お兄ちゃんに何かして嫌われたら…

お兄ちゃんのことが好きってバレたら…

色んな不安がありますが、いつか言うつもりです。

だって、お兄ちゃんに隠し事はダメって、私の中で決めているからです!

因みに、さっきまで寝てるフリをしながらお兄ちゃんのことを考えていましたが、いつの間にか寝てしまっていました…残念です!

そのせいで遊園地に行けなくなってしまって…

遊園地…行きたかったです!


お兄ちゃん!大好きです!


<hr>


初めて桜視点を少し書きました。

なんか今回は会話少なめですね。

さ〜て、こっからの展開どうしようか!全く考えていません!

学生なのですが、 もう学校でも展開を考えていて、授業中、2回ぐらい大恥かいてしまいました… 泣


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