第39話 自由





     もの心つく時から自由に憧れた


     好きな時に食べて

     好きな時に遊び

     好きな時に起きて

     好きな時に寝て


     自分の好きな事を勝手にする事が

     自由だと信じていた


     自分の嫌いな事を拒否できる事が

     自由だと信じていた


     年老いてわかったよ

     僕は自由と身勝手を混同していたと


     だから僕は孤独なんだ

     自分の都合でしか物事を考えないし


     自由にはルールがあり

     自己責任があるんだね


     この世で自由になれなかったな


     死んだ時に本当の自由になれる

     そう信じて生きていくのさ




*~*~*




 自由という意味を、僕はどれくらい理解しているのでしょう。


 僕の親父が生きていた頃は自由がありませんでした。それこそ親父の奴隷のような扱いを受けて育ちました。


 親父が亡くなり、好き勝手出来る様になると、夜遊びにハマりました。酒に女にギャンブルです。


 それを自由と呼ぶのでしょうか?


 僕は恐らく生きているうちは、自由という意味を知らずにいるでしょう。


 後は死を待つだけです。


 この肉体から解放されるその時に、本当の自由を手に入れる事ができると信じています。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る